「誰かの犠牲が誰かの幸せを作っている。」天気の子 はるさんの映画レビュー(感想・評価)
誰かの犠牲が誰かの幸せを作っている。
人間関係だけが人が生きる上で最も大切なことではない。人は15歳を過ぎれば厭なことばかりが自分の身に溢れかえる。だから、家を飛び出す。自分のことを誰も知らない世界で生きていこうとするのだ。
16歳の家出少年は新宿で「天気の子」とめぐ逢ったばかりにとんでもない経験をする。四六時中降り続く雨。この夏ばかりではなく3年間も降り続き、そして今も降り続いている・・・そんな設定の映画。宿命を自覚する少女と光の中で暮らしたいと願った少年。自然の中立さを理解できずに合理性と効率だけでしか物事を判断できない大人たち。壊れ始めた地球に責任を果たすことを忘れた社会。そんなろくでもない社会のために我が身を犠牲にした少女。そんな価値などありはしないのに・・・。
映画はここで終わってしまえばいいと願った。
にもかかわらず映画は続いてしまった。
稚拙な絵と臨場感のない音楽。
余りにも無責任に未来を青少年少女に託してしまおうとする者へ怒りを感じる。
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