「「世界」と「愛」を天秤にかけて「選択」をする物語」天気の子 ちーさんの映画レビュー(感想・評価)
「世界」と「愛」を天秤にかけて「選択」をする物語
素晴らしい!という意見と薄っぺらい!という酷評と、ここのレビューは二分されている気がします。
なぜなのか。
肯定派の人は、主人公と須賀の対比や愛に直向きな主人公の「選択」に感動している。
否定派の人は、主人公が家出をしたことや世界を変えた後の3年間の島での描写が無いため、主人公がどのような行動原理を持って物語が進行し、物語が進行してその行動にどのような変化があったのか、物語の導入と結末と言えるビフォアとアフターが無くただただその過程を観ているだけの映画であるという印象なのかなと思う。
どちらも共存する感想かなと思う。
解説を見ると物語の導入や結末など映像描写があるようだが、そこを見落としてしまうと本当にわからないし、映像描写があったとしても主人公の絶対に故郷には帰らない!という強い意志に説得力を持たせる事は難しいと思う。
主人公と須賀との対比がわかると作品を深く楽しめるが、須賀の心理変化があまり描かれず主人公をあそこまで邪魔する理由も想像することしかできない。須賀の姪が犯罪を犯してまで主人公を助ける理由もわからない。
「世界」と「愛」を天秤にかけて、どちらを選択するかの物語。
主人公の「選択」をフィーチャーする物語であるのだから、主人公と周囲の原理や変化などの人物描写は丁寧に描かれるべきだと思う。
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