「美しい背景で紡ぐRADWIMPSのMV」天気の子 ailer777さんの映画レビュー(感想・評価)
美しい背景で紡ぐRADWIMPSのMV
さすが新海監督という感じで背景はべらぼうに美しかった。
ただそのリアルな背景にデフォルメされた人物が若干浮く感じがしてしまった。
けれど凄くかわいらしいシーンがあってクスっとなる事も多かった。猫の雨ちゃんとか最初の仕事探しで目が><ってなってる穂高はめちゃくちゃ可愛かった。
ムーの下請けの編プロで働き始める下りとか本当にわくわくして、そういう仕事に自分がちょっと憧れもあったので凄くワクワクした。
ただストーリーが進むにつれ本当にキャラクターの言動が
リアルな10代の幼稚さ、視野の狭さ、傲慢さに溢れていて
それを成長で解消する事なく最後まで突き通してしまったせいで納得できない場面が多くでてきた。
自分たちの悲劇さと外界から閉ざされて自分たちだけの関係にどんどんのめり込んで最終的に街は沈み、多くの人が家を失い、おそらく多くの命が失われただろう。
でもそんな事はどうでもよくて主人公にとって大事なのはひなが傍にいて「自分たちが天気を狂わせた(世界を変えた)」という特別感。自分たちのした事の代償は自分で償う事はせず無関係の人々(大人)が背負っていく。
とても乗れなかった。たぶん10代の時にみても乗れなかったと思う。
演出的にも警察からするりと逃げ、線路も誰にも捕まる事なくずーーーっと走り続ける。主人公を際立たせる為の大人の無能感。
過剰な大きさでかかるラッドの曲が映画への没入感を阻害してしまって
MVパートになるたびに「うるさいなあ」と現実に引き戻されてしまった。
しかも必要のないラノベのようなモノローグの多さが気になる。そこはずっと集中して見ている観客を信じてよ、と。
ほかにもいろいろ気になるところがあるんですが…
あとオカルト好き、ムー好きとしてはそういった視点で興味をそそられる事はありませんでした。よっぽどトトロの方がオカルト感あります。