「新海誠の良さがそこここに」天気の子 Takuさんの映画レビュー(感想・評価)
新海誠の良さがそこここに
これまでの新海誠監督の映画で好きな作品は「言の葉の庭」、「秒速5センチメートル」でした。
前作「君の名は」は、評判は別として、期待していただけに、内容の幼い感じが、少し残念な作品でした。
本作「天気の子」は、これまでの新海作品の良いところが出た、本当に気持ちの良い、言葉通り快作になったと思います。
映像の美しさ、特に水の描き方は「言の葉の庭」を思わせる秀逸な出来、また雨に黝んだ空がドラスティックに光り輝く光景に変わっていく様は、それだけで感動的ですらあります。
空と光の美しさの描写、またアニメではあるものの所謂カメラアングルの巧みさを思わせる憎らしい表現も見どころです。
そして、ストーリーは軽快で痛快、台詞も軽妙でウイットにも富んでおり、思わずくすりと笑ってしまう場面も多々あります。(台詞の面白さ、巧みさは、小説版「天気の子」読んでみると更に良く判ります。)
オープンソング、挿入曲、エンディングソングの音楽も映像によくマッチしていて共感を更に強くします。
今回、日本の広域に被害をもたらした台風があったばかりで、殊更に臨場感が有って、その点からも、地球の環境変動の問題に関しても一石を投じた作品とみる事も出来ます。
新海誠作品の3指に入る作品でしょう。
思わず3回も観てしまいました。
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