劇場公開日 2019年7月19日

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「天空の子?」天気の子 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0天空の子?

2019年8月16日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

萌える

実に見事なビジュアル。
まずは、この一言に尽きる。
新海誠お得意の「雨」「雲」「現実風景」❕
リアリティーのないお伽噺だからこそ、その物語の背景・設定に徹底的なリアリズムを追求する製作姿勢が、見事に結実している。
そして、ストーリー自体も、緩急があって先が読めない面白さ。
こんなストーリーをよく考え出すものだと感心しきり。

雨天に晴れ間が差し込んでいく幾つかのシーンはそれぞれに美しく、映像自体が感動的だ。
最近の邦画で「画」で感動させてくれる作品はまれだと思う。

帆高・陽菜・凪の3人の逃亡劇が始まるところから冒険活劇へと物語のテイストは急転する。
「君の名は。」でも、隕石から住民を避難させるようと計画するあたりから一気にアクションに変調した。
活劇へと舵を切った後は、俄然スピード感を増して緊迫の追いつ追われつが展開する。
スクーターとパトカーのチェイスはアイディアに富んでいて面白い。

陽菜を捜し追いかける帆高の姿は「天空の城ラピュタ」のパズーと重なった。
数奇な運命の女の子を必死で救おうとする男の子の大冒険。
そう考えると、崩れ落ちる朽ちた非常階段は「ラピュタ」へのオマージュのよう。

男の子よ、か弱き女子を全力で守れ‼️

そう、男として生まれてきた限りは、好きな女の子を守れる男でありたい…というのが本作のテーマとみた。
現実は女性の方が精神的に強く「翼の折れたエンジェル」(by中村あゆみ/作詞・作曲:高橋研)なのだが。

そして、後日談が良い。
オッサンにとっては3年なんかあっという間だけど、十代の子にとっての3年は長い長い年月だ。
少年が青年になっても彼女を想い続けていて、彼女も待っていた(のかな?)なんて、なんと理想的な青春ラブストーリーなのだろうか。
このオッサンの胸にも熱いものがうごめいた。
あぁ、若いって素晴らしい!!!

この映画は帆高のモノローグ的ナレーションで始まる。
これがイミシンで期待感を煽るのだが、冷静に見て、あれがストーリーと一致していたのだろうか…
「世界の形」を変えたのは「僕たち」だったのか?
そこは少し引っ掛かった。
ついでに言うと、浮遊と落下は宮崎駿の得意技。その影響かどうかは分からないが、最近観た数少ないアニメーション映画で「空から落ちる」シーン を何回か観た気がする………

kazz