「雨男対晴れ女」天気の子 rg117さんの映画レビュー(感想・評価)
雨男対晴れ女
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映像はさすがに美しかったですが、ここ数年自然災害に悩まされている日本でこの結末は少し残念です。
キャラクター達の個性や自我も成長過程と言えどまだまだ脆く、主人公が銃を使って殺人犯になってしまうのではないかとハラハラする場面が散見されました。万引き家族の影響なのか、子どもから自由や大事な家族を奪う警察や児童相談所の職員との対比構造も天気の子というテーマからやや逸脱し複雑すぎて新海監督のメッセージを汲み取るのが難しかったです。
アニメーション的な勇気をもらえる作品というよりも、暗く切ない気持ちになるようなストーリーでした。ただこうした繊細な作品は新海監督らしさを感じさせました。
雨男である主人公(無邪気、暴力的、破壊的)と晴れ女であるヒロイン(母性的、自己犠牲的)は本来一緒に生きていくのは難しいのかもしれません。それは、晴れ女前任者であるヒロインの母親の早すぎる死、須賀の妻の事故死、凪の「姉ちゃんを返せ」という言葉が示唆しているのではないでしょうか。
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