「タイトルなし」天気の子 ゆっこさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
大人になること、子供(気持ちに正直に生きる)でいること
キャラ達がみんな生き生きしてて、度々クスっとできるシーンが混ざることによって親しみを持つことができる。
"大人"になって誰か一人を犠牲にして大勢の願いを叶えるか、子供でもいいから自分のたった一人の人と全ての世界を変えた重荷を背負ってでも生きていくか。
私は後者側で観てしまったからおじさんが正論言ってるのわかってたけど、大人の正論はなんて無神経にいろんなものを見ないように枠に収めようとするんだろうと思ってしまって、だけど陽菜を選んだことの代償はまじででかすぎるなって少し唖然とした…
それでも、誰かを笑顔にするために自分を犠牲にすることが生きがいなのでなく、帆高が陽菜に新たに生きる理由を与えてくれたのは泣いてしまった。
誰の役にもたたなくていいからそばにいてほしいって思ってくれる人がいるのはどれだけ救いになるだろうか。
いつだって自分を救うのは、正論じゃなくてエゴ満載の正直な気持ちだったりする。
正しさの話で言ったら帆高は間違ってるのかもしれないけど、ちゃんと起こしたことを受けとめて一緒に生きることを選べるのはすごいことだよ。
少し前なら自己犠牲が美徳とされてたんだろうな、そこからの脱却にも思える。
多くの人が犠牲になってるじゃん!と憤るなら、目の前の一人の少女に自分達のために死んでくれって言える重みを背負えるのか?
どこかの誰かじゃなく、目の前の一人は誰かのかけがえのない大切な人なんだよね。
あと時かけも君の名はもそうだけど、いろんな映画で、なんで少年少女が必死に走ってる姿ってこんなにもぐっとくるんだろうな〜〜〜
(あと走ってる帆高を見てたモブが「でたよ、あーいう奴…」的な目立ちたがりの若者扱いしてる声に、あぁこれは本当に二人しか知らない物語なんだという象徴のようでグッときた。
一人の大切な人のために今行くしかないこの状況は、知らない端からみた人にはバカにする対象で、そういうこと日常にもあるよね、人知れず戦ってること)
誰かのために間違っててもたくさんのものを巻きこんででも、走れる気持ちは尊い。
大人になったらいろんな立場を考えて踏み出せない。(それがきっとおじさん)
この気持ちは忘れたくないなって思う。
あと映像はやっっぱり素晴らしかったなぁ…!
晴れた瞬間ビルの窓や車の窓がワッと光りだしていく描写は胸を踊らせるたまんない演出だなって震えた!
会いに行って手を掴むシーンも掴めないもどかしい感じもたまらなかった
あと町並みがリアルで、あーこれいつも歩いてる道…下手したらこの先実家!みたいな個人的にテンションあがる場所もあったな…
何度も噛みしめるために一度見るだけじゃ足りない。