「「君の名は」よりは現実的」天気の子 YYさんの映画レビュー(感想・評価)
「君の名は」よりは現実的
元々実力派だったとはいえ新海誠監督の名前は「君の名は」により一層広まったと言えます、故に「天気の子」は前作と比べられやすくなると予想しますが結末は考えさせられる物がありました。
というのも「君の名は」は隕石で甚大な被害が出たものの主人公たちの努力の甲斐あって死者は出ませんでした、主人公とヒロインは離れ離れになりますが結果的には再度出会うことが出来ます、大多数がこれをハッピーエンドと見なすと思います。
一方「天気の子」はその世界の立場次第でハッピーエンドにもなりますし、バッドエンドにもなります。前作とは違い曖昧な終わり方ではありました。恐らくこれが賛否を呼ぶ原因かと思われます。
主人公やヒロインにとっては幸せな終わり方でも第三者にとっては迷惑な話だと思います、あえて白黒つけないことで視聴者の想像を広げているとも受け取れます。
映像は美しく鮮やかな様が映画の迫力を引き立たせ放映中に鳥肌が立ちました。ストーリーもまた恋愛の王道といえる流れでちょくちょくと挟んでくるギャグ要素にふふと笑いが込み上げて来ます。また「君の名は」と比べてしまいますが性的なギャグは前作よりは多かったです。しかし思春期であることを考慮すればこのぐらいがリアリティを出すのに丁度いいかと思われます。
そして登場人物ですが幼いほど夢見がち、大人になるほど現実的だという印象を受けました(終盤には主人公の思いに心を打たれ大人たちも協力しますが)どちらかといえば自分も大人の分類に入るので少年少女たちの行動には少し疑問を抱きました、とくに主人公の家出の理由が抽象的なのであそこまで抵抗するのは違和感があります。子供と大人の対比を明確にする為の意図があるかもしれませんがそれでも罪を平然と犯す様子は理解し難いです。
結論をいえば気になる点もありますが見て良かったと思える作品でした、私はまだ1度しか見ていないので何度も見て考えてを繰り返せば制作陣側のメッセージを汲み取れると思います。長文失礼しました。