「初期からの新海ファンだけど…とにかく酷い…」天気の子 水樹さんの映画レビュー(感想・評価)
初期からの新海ファンだけど…とにかく酷い…
映像に関しては文句なしです。
相変わらず引きのカメラでキャラが激しく動き回ると盛大にボロが出ますが、まぁその辺りはいつものことで…。
内容に関していえば、とにかく内容が思いついたままにキャラを喋らせて、思いついたままに場面をとっかえひっかえしてる感じで内容が頭に入ってこない。
特に酷いのは会話やセリフのセンス。中盤になると新海らしい台詞もありますが、序盤はもうどっかのアニメやドラマを参考に作りましたといわんばかりの既視感のある場面と台詞とCMのオンパレード。
CM自体は そこまで盛り込んでくるのかって感じで逆に面白いのですが…。
とにかく 君の名は で一般向けの台詞回しのほうが売れる!こういう演出だから売れたんだ!みたいな新海誠コンプレックスみたいな部分を、ジブリや細田作品を真似て作ったような内容のオンパレード。
本来の新海誠にある、閉鎖的な空間で自問自答するような虚無感や喪失感はかなぐり捨てて、売れるために星を追う子ども路線に再度挑戦しました!という感じ…。
キャラクターに関しても、その年齢らしいリアルさを出したいのか、君の名は のようなキャラクター性を出したいのかどっちつかずのまま、その年代のリアルな子達が共感しなさそうな言動ばかりで。
ネットにありふれてそうな偏見に満ちた客観的な考えのオンパレード…。節々に出てくる問題提議地味た内容も、あの映画だよね?この映画だよね?みたいなものばかり…。
君の名はより前の新海誠作品と比べると大分会話のテンポや、笑いを混ぜたりと、アニメ作品としては成長を感じますが、新海誠の作品としては成長したというよりも、劣化したサマーウォーズ期の細田守を見せられてる感じです。
グッとくるシーンもあるのですが、大抵はその場のノリだけで、後々につながらないので余計にガッカリします。
とりあえず、主人公達の年齢から見直したほうがいいんじゃないかなぁ。
一番の見所は ぼくにできることはまだあるよ というフレーズに合わせて流れてくる 監督の名前かと…。