劇場公開日 2019年3月29日

「触らぬ神に祟りなし」目撃者 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5触らぬ神に祟りなし

2019年4月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

重くもエンタメ的で、テーマがはっきりズッシリ伝わってくるサスペンススリラー。

他人を救えば自らに危機が迫る、究極の選択。
自分と家族を守るために奮闘するサンフンを熱く応援していたが、空回りも多く彼の選択によって次々と最悪なことが起きるので正直結構イラつく。
この場合警察にさっさと証言してさっさと真犯人を逮捕してもらった方が安全なのでは?なんてずっと考えていた。
でもまああの無能っぷりを見てしまうとそうも言っていられなくなるけれど。

いくらなんでも犯人が有能すぎたり物理的にどうなのと思うツッコミ所もあれど、終始ハラハラできてなかなか面白かった。
神出鬼没な犯人のプレッシャーと正義心に挟まれ困惑し、頻繁に戸締り戸締りと繰り返すしかない可哀想なサンフン。

ただ、終盤の追い詰め方のネチネチ具合には辟易。
格闘のシーンは今までの流れから急に作風が変わってなんだか乗りきれない。
そして再度サンフンの行動があまりにも稚拙。わかるけど。わかるけどね。
そして唐突な災害に驚いた。
急にどうした、ついに神が怒りたもうたかと思ったらゾッとする中身。

この作品では殺人を扱っているけど、軽くとも人のトラブルに足を突っ込みたくないのは皆同じ。
個人主義的な考え方が強く、「ご近所同士助け合っていきましょうね」なんて言ったってこちらに難が降りかかってくるのは御免被りたい。
静観こそ安全なのか。
私は散らばったビラをあの場で拾うことが出来るだろうか、と自分の胸にしばし問いかけた。わからない。

モラルが高い住民を自称しておきながらモラルの低い行動をする奥様が印象的だった。
色々と粗が気になるけど、ラストが凄くうまい。
目撃者なんて本当はもっといたんだろうな。

KinA