フォー・ハンズのレビュー・感想・評価
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車のトランク開けたら拘束された人が入ってたなんて・・・やだなぁ
要は二重人格(乖離性同一性障害)、もしくは夢遊病の症状に自分の姉妹が宿ってしまったという話。なんだ、多重人格モノなら最近いっぱい観たな~と安心していたら、とんでもないほど暴力的な性格だったと驚いてしまう。事故で入院していた時に知り合った医者マーティンとデートを重ね、両親の復讐なんて思いもよらなかった妹ソフィー。
とにかく人格の入れ替わるタイミングが定期的ではなく、突然起こるもんだから危なっかしくてしょうがない。キスしてうっとりしている時に蹴りを入れられたり、突然グラスで殴りつけられたり、最も危ないのが運転中に人格が入れ替わったりして・・・また事故るよ!
寝ている間に姉ジェシカは釈放された犯人を捜すし、勝手にクロロホルムとか入手しちゃうし、もう妹としては平和的な解決をしてほしいと願うばかり。もっともっと最悪なのは、その犯人の家に忍び込んだときに人格が入れ替わってしまう・・・もうやめて!とにかく、妹(=自分)を守るどころか自ら危険を呼び寄せてるジェシカ。
妹を守るためには何だってする!というヤバい性格。おかげで寝る前には鎖で自ら拘束したり、大変な作業だ。おかげで寝不足。といった状況。などなど軽く考えて観ていたら思わぬサプライズが待っていた!刺青にずっと注視していたのに、このオチは読めなかったよ~まんまと騙された。終わってみると、とても妹想いの姉だったこともわかるし、性格も落ち着きを見せてくれた。もしかすると、オーケストラのピアノ試験にしても姉さんが弾いたんじゃないの?と思ってしまう。マーティンと上手く付き合っていこうね♪
連番
死者を悼むのは罪悪感を和らげるための自己満足。
精神的な追い詰めや物理的な痛みや恐怖とトラウマも折り込み、ホラー要素やサスペンス要素もバランス良く配合されたサイコスリラー。とても面白かった。
妹を守ることに異常な執着を見せる姉ジェシカ。
生前の暴走っぷりが既に怖い。
隈たっぷりで目が落ち窪んでてノイローゼ感が半端なくて普通に恐怖である。
守るためだと言いつつ、事件を消化して母と同じピアノの道を進みたいソフィーの邪魔にしかなっていない。
これまでもソフィーの友人関係や恋路に一々首突っ込んでいたんじゃないか、なんて想像も容易い。
死してなお過干渉と暴走が続き、身体を乗っ取られる気持ち悪さ。
自分の意識とは関係なく人格が入れ替わり、記憶の無い間にとんでもない行動を繰り返される恐怖。
その行動、守るどころか危険に晒していることになるのに。
しかしジェシカの暴力性と攻撃力の強さは少し笑える。格闘技かなんか習ってたのか?
ただ20年前の犯人達を追う目的にハンドルを振り切り、尋常じゃない熱量でガンガンに行動する姿はいつしかクールにも見える。いや怖いけど。
録音メッセージを利用したやり取りや崖っぷちの抵抗方法にグッときた。もう必死。
それぞれがそれぞれの道を塞ごうとする思索が面白い。
たった一言で見えてくる真実。
若干の既視感はありつつ、完全にしてやられた。後になって思い返す小さな伏線。
なんて切ない。あまりにも苦しくてあまりにも悲しくて、すごく良い結末だった。
最後に吹き込んだ小声のセリフとピアノの連番で涙腺崩壊。
大きすぎる荷と愛が巻き起こした悲劇と奇跡と前進の話だった。
20代半ばの歳、これからの人生に幸あれ。
私が守るから
幼い頃に自宅が強盗に襲われ両親を殺された姉妹の20年後の話。
犯人の男女2人が釈放されたことを知り動揺して犯人を始末しようとする姉ジェシカと、切り離して今まで通りでいようとするソフィー。
それが切っ掛けで揉めた二人が駐車場で車に跳ねられ姉が死亡し、妹に憑依し二重人格の様になって行くストーリー。
性格がこれまでかというほど異なる姉妹が互いの人格の時の記憶はない状態の中、一つの体でそれぞれの思惑を衝突させる様子が面白い。
ヴァイオレンスな姉ちゃんの強さと凶暴さはものすごいしw
姉ちゃんの追い詰められた様な攻撃的な感じも理解できるし、フォローして廻る妹の心情も理解出来るしという状況で進行して行くストーリーにハラハラドキドキ。
それだからといって展開は変わらなかっただろうけれど、その後は異なるところへ進むであろう真実や、スプラッター染みたネタは意外で、良い意味で色々とモヤモヤ引っかかった。
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