「纏わりつく風」アンダー・ザ・シャドウ 影の魔物 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
纏わりつく風
色々な要素が入り混じってぶつかってくるホラー。
戦争に家族の問題にご近所付き合いに性差に悪霊、あちらこちらから嫌なことが降りかかり、観ているだけで細かいストレスが溜まってくる。
夢が断たれたことからほぼ常にイラつき、夫に当たり娘から迂闊に目を離しまくる母シデーにはモヤモヤが止まらないけど、その姿は結構リアル。
客観的に見ているとどうしてもツッコミ入れてしまうけど、私があの立場だったら同じことをすると思う。
修繕も補強も全部テープで済ませるの好き。
現実問題の切羽詰まった状況と悪霊の追い詰めがだんだん激しくなるとハラハラできるけど、どうにも物足りない。
プクプクほっぺ娘を連れて行くにしてもその先がよく分からないし。恐怖演出もっと頂戴。
風の音が鳴り響くのが悪霊に纏わりつかれているようで気持ち悪かった。
ホラー的な楽しみはあまりなかったけど、一人の女性のストレスや母娘のすれ違いを描いた作品として面白みはあった。
寄り添うわけでも突き放すわけでもない描き方なので、ふんわりとしていてどうしていいかわからなくなるけれども…。
民族衣装としてのヒジャブは素敵だけど、身体を覆わず薄着で外に出ただけで警察に連れて行かれる風習は本当に苦手。
イランの悪霊「ジン」とは初耳だったので少し調べてみると、アラジンに出てくる「ジーニー」もその類らしい。男性型と女性型で呼び名が違うとか。
今回は女性型だったので「ジンニーヤー」と言うのが正解なのかな。
恐ろしい悪霊らしいけど、纏うヒジャブが結構可愛くておしゃれなのが面白くて好き。一瞬牛かと思った。
コメントする