「原作ファンだとモヤモヤするかも」ソニック・ザ・ムービー Semikaさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンだとモヤモヤするかも
ソニックシリーズのファンなので観ました。
公開初週にも関わらず、入った回の客席には自分一人しかいなくてほぼ貸切状態だったのが衝撃的でしたが……。
映像のクオリティは、マーザが手掛けているだけあってとても良いです。ソニックと人間との身長差の対比がとても可愛かったです。
また、中川さんの演技には違和感があまり無かったです。
「流石にストーリーは王道でつまらないかなぁ」と半ば期待せずに観ました。
確かに王道ではありましたが、良い具合にハラハラさせる場面が多々多くありましたので、最後まで飽きることはありませんでした。
しかし、いくつか問題点もあります。
ここからは原作ファン目線でのレビューになります↓
まず、ロボトニックのキャラクター像の大幅な変化です。
彼は元々のシリーズでは「戦う相手に傷はつけるが、流石に殺しはしないし義理堅い」というようなキャラクター像だったと思います。
が、今作ではだいぶ物騒かつサイコパスな方向にシフトしてしまっており、原作とは「マッドサイエンティスト」というところしかほぼ共通していませんでした。面影がほとんど無いです。
元々の彼のキャラクター像を好きな人が観たら、多分ショックでしょう。
彼は子供の時にいじめっ子を酷いレベルで病院送りにしているようですし、ソニックに関しては度々「解剖する」と言っていました……。
原作で彼からそんな台詞を聞いたことはほぼ無いですね。
ソニックに関しては原作から設定が忠実に引き継がれているようですが、ロボトニックのような他のキャラだと関係なかったのでしょうか……?
次に、声優のキャスティングです。
アニメ・ゲームの実写化の例に漏れず、今作も原作でソニックを勤められている声優さんを起用することはありませんでした。
おそらくかなり声質が似ているのと、確かな演技力があるので中川さんが起用されたのでしょう。これはよく探したなと思います。
が、彼の演技は「元々の声優の演技に限界まで似せること」から終始離れることはありませんでした。
英語もスラスラでしたし、原作でのソニックのテンションをそのまま再現できていたと思います。このこだわりは、はっきり言って異常なレベルでなされていました。
しかし、ここまでこだわるのなら、元の声優さんを起用すれば良かったのではないでしょうか……。
しかも、テイルスの声優さんは原作の声優さんと同一です。原作ファンに配慮した結果でしょうが、ちょっと意味が分かりません。
もちろんテレビにおける告知等の都合で、声優でない芸能人を起用することが良いことは分かっていますが、やはりモヤモヤします。
ちなみに、北米版でも原作の声優でない方が演じられているので、これは日本特有のことではないようですよ。
追記:
ロボトニックの口から「(おそらく2020年の)クリスマスまでには戻ってくるぞ」という台詞がありましたし、テイルスまで人間世界に来ていたのですが、果たして続編はあるのでしょうか?
時期が時期ですし、日本ではあまり話題にならなかっただけに微妙です。
一応また観に行こうとは思っていますが。