パラレルワールド・シアターのレビュー・感想・評価
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小劇場系演劇を観に行く一般客にオススメしたい映画
JR 大塚駅にあるシネマハウス大塚での上映会で、この映画を観ました。小劇場系演劇を観に行く一般人に是非観ていただきたい映画です。ヒロインとヒロインが働く会社の同僚の会話のシーンで、小劇場系演劇を観劇後の客だしの様子があるのですが、現実そのもので驚きと共に笑ってしまいました。小劇場演劇はあまり儲からないということは小耳に挟んでいるので、あのような苦労を経て舞台は作られているのだと思いました。
「観劇が趣味」と言うと、劇団◯季や◯塚を連想する方が多いので、この映画をきっかけに「小劇場系演劇もある。」ということを知っていただけたらいいなと思います。
誰もが共感できる、選択の話
誰もが選択を重ねて今の生活を送っている。結果的に多くの選択肢を捨ててきたことにもなる。
30歳という年齢は後戻りをするには遅く、自分の可能性も過大評価できなくなってくる絶妙なラインだと思うのですが、年齢的境界線・夢と現実の境界線・可能性の向こう側とこちら側の境界線の狭間を描いた、デリケートな作品。
若い監督にも歳をとった監督にも描けないという点で代えがたさがあり、監督が自身や周囲を冷静に見つめているという点で誠実であり、ひいては今の日本を切り取ったスナップショットとしては社会的な価値も高いと言って差し支えないだろう。
表現においても劇中劇を効果的に取り入れていて、一方で演出に酔うこともなく、ストーリーやストーリーにこめられた思いを伝えることを重視する姿勢が見られ、見ていて気持ち良い。
こういった作品が自主制作から生まれることに、商業映画業界は危機感を抱いた方が良い。
刺さる、そして、どちらもある
とっても良かったので、初のレビューを書きます。
初日、初回にて。
監督さんのご挨拶から始まる不思議。
狭い部屋、発泡酒、タバコ、ポテチ。
懐かしくて笑顔になってることに気づく。
お芝居と並行して描かれていく想い。
いや、想いと並行して描かれていくお芝居。
あの頃とは異なる立場やそれぞれの目的。
時計の針は戻らない中、何をしたかったのか。
お芝居の中の台詞がひとつひとつリアルに刺さる。
現実も痛い。その融合に引き込まれる。
叶わない想いもたくさんある。
そうそう、そうやって私たち、この道を選んできたんだって思います。
ラストシーンはしばらく私の中でリフレインするでしょう。
監督さん、天才です。
応援したくなる映画。
「ありえた未来」に思いを馳せる
試写会で拝見しました。
本編と劇中劇の交差がおもしろいなあと思って観ていたのですが、最後にその劇中劇が持つ意味が一気に襲ってきました。
ただでさえその前の展開で「うわっ」と思っていたところにしんどさが畳みかけてきました。
小劇場や劇団のことについては詳しくないのですが、「あるある」が多いようなので、界隈の方々が観ればその点も楽しめるのではないでしょうか。
私はファン目線でしんどさを感じておりました。
「ありえた未来」に思いを馳せ、自分にとってそれはもう何も叶わないつらさや虚しさを噛みしめました。
そして、アラサーになって夢を追うことの難しさを突き付けられました。
だからこそ夢を追っている人たち・実現している人たち・したいことをしている人たちに感じる憧れや輝きが一層増したように思います。
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