「主人公にイマイチ感情移入できない」名探偵ピカチュウ みりぽんさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公にイマイチ感情移入できない
しわしわなピカチュウというギャップを楽しむ映画ということは予告編でなんとなくわかっていた。
ただピカチュウが可愛らしいのでその辺はギャグとして十分楽しめる範囲。
元ネタであるポケモンの世界観やキャラをしっかりとリスペクトしているところは好感が持てる。
しかし主人公に今一つ感情移入できないのは何故だろうか。
どことなく乗り気でない態度や相方のピカチュウとの距離感が、ソリが合わないが実は仲が良い凸凹コンビというバディものには少し物足りなく感じたからだろう。
ベタベタではあるがどちらかがボケて相方がツッコむという漫才のようなやり取りがもう少し欲しかったと思う。
また、ポケモンをよく知らない層でもピカチュウは主役級のキャラなのだし、それがヨボヨボのオッサンだったとしても少し扱いが悪すぎると感じた。
オッサンピカチュウは少々癖のある性格ではあるが、それでも十分愛嬌のあるキャラだけに、なぜそこまで突っぱねるのかと少々可哀想でもある。
年老いたピカチュウでもある程度思いやりを持って接してあげたら主人公も心が広い優しい人間だと好感が持てたと思う。
パニック映画としてみても展開がそこまで悲惨にならず、あまり緊迫感が伝わってこない。
やはりポケモンという版権ではあまり酷い描写は不可能だろうし、見た目が可愛らしいので人々が怯えているという感情が伝わってこない。
結果、悪役の野望がすごく中途半端になってしまい、ひとまず最後はボスのポケモンとのバトルを魅せて終わりというこじんまりとしたストーリーになってしまった。
アクションやCGは申し分ないのだが少し稚拙な部分が目立ったと思う。
また、ポケモンが大好きかどうかで評価はかなり変わると思う。