「ポケモン映画としてはアリ。」名探偵ピカチュウ ワンワンさんの映画レビュー(感想・評価)
ポケモン映画としてはアリ。
ポケモン実写化の初めてとして外伝的な本作が選ばれたのは賢い選択だったと思います。
可愛くてキャッチーなピカチュウを見てるだけでも100分はあっという間です。中身がレイノルズなのも良し。ピカピカいうだけのつまらない野郎にならず、映画の推進力になります。その他のポケモンもキッチュで良いです。絶妙にキモいニュアンスが生き物感を出してます。
ただ、脚本はダメ。推理物を期待したのですが、行き当たりバッタリの捜査は観ていて退屈です。
描写も雑。ティムはルーシーのことがいつ好きになったのか、敵の描き方、彼のどんなトラウマがポケモンを嫌いにさせたのか、親子関係の描きこみ不足など。
特に後ろ3つの描写不足は物語のエモーションを大きく後退させています。
ピカチュウとの旅を通して主人公の、ポケモンと父親に対する姿勢の変化をしっかり描けていないので、ピカチュウをパートナーと認めるところ、最後の場面で彼が父親と一緒に暮らすと言うことに説得力が出ない。
主人公親子の鏡のような存在であるはずの敵についても、事件の動機が人間の進化だなんだというよくわからない理由の為に物語の中でうまく機能してません。主人公親子の問題を具現化したキャラとして描くべき。よくわからん奴を倒してもカタルシスは得られないです。
強いメタモンの設定は良かったと思います。カラカラに変身したとこでおお!となりましたが、主人公のポケモンへの、引いては父親との関係への不信の象徴と
してのカラカラはピカチュウに倒して欲しかった。
ただ、ポケモン中心の世界をリスペクトもって描いているので、楽しく見れました。映画としての粗はありますがポケモン映画としてはアリです!
しかし何故ポケモンを実写化したのでしょうか。