「カッコいいイメージ脱皮のイーストウッド」運び屋 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)
カッコいいイメージ脱皮のイーストウッド
87歳の爺さんはヤバイ物&悪い事と知りつつも運び屋をしていたというドラマ。
10年ぶり監督兼主演ですか。
グラン・トリノ依頼ですかね?あれは好きでした。
自身が老いながらも演じたい役柄なんて、イーストウッドならば何か惹かれてこの作品なんだろうなとは思っていましたが、、、。
正直この登場人物構成とこの脚本では、主役はある程度演技派の爺さんで無ければ魅力的な作品に映らないだろうと思った。
しかし、表向きカッコイイ爺さんでは駄目。
頼りなくて、情けなくても何故か心に残る爺さんでなければ。
それをクリント・イーストウッドは昔ながらのクール、ダンディ、歳老いてもカッコ良いイメージから脱皮し、終始情けなくて切ない爺さんをこの映画にて見事に演じてみせていたと思う。
家族愛溢れていたとは決して言えない元大黒柱の姿。
世間様に悪いと思いながらも運び屋をやる姿。
妻の最後ぐらいは家族と共にしていく姿。
情けないが故に見せれる最後の姿。
それらは切ない爺さん臭を漂わせ、映画に安心感を与えている。
全体的に凄い映画内容では無いのですが、作品自体がクリント・イーストウッドの単独魅力勝ちと言っていい作品だと思います。
日本の一部役者さんも、イーストウッドを見習って頂きたいものです。
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かいりさんのコメント
2019年4月1日
哀愁とはまた違う、イーストウッドのどこか悲しげで寂しげで物憂いてるような感じ、なんと言ったらいいかわからなかったのですが、爺さん臭という言葉がピタリ賞すぎますわ。