「魅力的な爺さん」運び屋 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
魅力的な爺さん
主演監督イーストウッドだから出来た映画。
特に、90歳の飄々とした爺さんを演じるのは、なかなか他の人には難しいと思う。
この爺さんのキャラが魅力的。
仕事を優先して、家族を顧みなかったため、妻には離婚され、娘からは絶縁されている。
人間、仕事に打ち込む理由は色々あるが、他人から評価されるということに、ある種中毒的に溺れるって事もある。
評価の形も様々で、賞、金、VIP待遇、などなど。
一方で、家庭人としては無能で役立たず。
結局、自分が一番かわいいタイプだから、仕事で成功してちやほやされる事を選び、家族とはいえ他人に対してどう接すればいいかわからないし、その努力をしない。
そんな仕事人間の末路はこうだよ、というダメ爺さんを、イーストウッドが見事に演じているのだ。
それは、ダーティ・ハリーの末路でもあるかもしれないし、今20〜60歳で働く人間の末路かもしれない。
物語は、実話ベースだけど、新聞記事に着想を得た、創作的要素が強かった印象です。
演出が切れ味抜群。
匠の技を堪能しました。
満足満足。
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