劇場公開日 2018年12月22日

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「消えた死体は」死体が消えた夜 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5消えた死体は

2018年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

たった一夜の出来事である必然性が面白い。
度々挟まれる時刻表示にもきちんと意味がある。
製薬会社だからってそんな作品に都合の良すぎる薬を作られてもね…とは思いつつ。

テンプレのような破天荒刑事のキャラが逆に胡散臭くどうも鼻について、主人公ジンハンを応援しながら観ていた。
不倫の果ての妻殺しと、やってることは酷いことこの上ないんだけども。
支配的な妻の態度から、彼の心の平穏を思うと致し方ないような気になってくる。

操作の方向と主人公目線の主軸がズレたまま進んでいるかと思いきや、突然の展開と強制的な転換に驚いた。
消えた死体、なるほど。
綺麗などんでん返しに綺麗な終わり方で納得できるし面白かった。
しかし考えれば考えるほど無理があるような。

せっかく魅力的な妻のキャラが落ちてしまうし、ヘジンとの電話に矛盾があったり、伏線ともいえないお粗末なポイントが多くてなんだかなというかんじ。
説明的すぎるネタバラシとミスリードを誘うあざとい要素が多くて少し萎えてしまった。

ちょっとしたオカルト風演出やどんどん追い詰められる主人公の変わり様が好き。
最初は結構頭の回転が良くて、一瞬でアリバイ工作もできる彼の詰めの甘さやボロが出てくる瞬間は苦しくて楽しかった。

期待していたドス黒い感情の絡みや妻の策をあまり観られなかったのが残念。
話自体はよく出来ていて面白い。案外普通の謎解きサスペンスだった。
二時間ドラマや小説で出会えばまた違った印象を受けていたかもしれない。

KinA