劇場公開日 2019年5月10日

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「ナチスのゾンビ・ソルジャーズ!」オーヴァーロード 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ナチスのゾンビ・ソルジャーズ!

2019年9月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

興奮

スピルバーグの『プライベート・ライアン』やクリストファー・ノーランの『ダンケルク』のようにドキュメンタリータッチのリアルな戦場を描くならまだしも、あのJ・J・エイブラムスが単なる戦争映画を作る筈がない。
予備知識ナシで見たら、戦争映画にコアな人気のジャンルがミックスされ、びっくり仰天!

ナチスの電波塔を破壊する任務を課せられた連合軍の兵士たち。
始まりはよくある戦争映画。
砲撃を受け、輸送機からパラシュートでダイブ。なかなか迫力と臨場感あり、さながら落下傘版『プライベート・ライアン』。

フランスのとある集落に潜入。
ナチスの包囲網を掻い潜り、集落の娘の協力を得、匿って貰う。
幼い弟とおばと暮らしている娘だが、おばの様子がヘン…?
集落には教会があり、村人たちはナチスによってその教会に連れ去られて行く。
教会の中で、一体何が…?
スリリングな潜入やナチスの陰謀など、ここら辺もまだよくあるっちゃあある。

兵士の一人が教会内に忍び込む事に成功。
そこで見たものは…!
人体実験。
でも、ただの人体実験じゃない。
村人たちは殺され、謎の血清を打たれる。
すると何と…!
死んだ人間が再び動き出す。頭だけで喋る。もはや人間じゃない者たちが…。
一体ナチスはここで、何を企んでいるんだ…!?

身柄を拘束したナチス将校の口を割らせ、恐るべき陰謀を知る。
ナチスの千年王国を造るには、千年生きる兵士が必要。
即ち、ナチスによる死んだ人間を蘇らせた“ゾンビ部隊”であったのだ…!

これまであったような無かったような、戦争アクション×ゾンビ・ホラー!
あったとすれば、B級映画専門の会社アサイラムで、似たような作品を作った事があるかもしれない。
そう、B級。
でもこれが、なかなか面白味が濃縮されている。

戦争映画の醍醐味も充分、ちゃんと任務遂行も。
アクションも惜しみなく、ド派手。
お楽しみのゾンビは、勿論不死身で狂暴で、超人的な力。
銃撃で顔を吹っ飛ばされたナチス将校が自ら血清を打ち、ゾンビになるという、ベタだけどヴィランとしてのお約束の展開。
クレイジーさもグロやバイオレンスもいっぱい。
ヒロインも美人。

まあ確かに、ツッコミ所は多々。
荒唐無稽だし、主人公たちは精鋭部隊なのに何だか行き当たりばったりの間抜け。
もっとゾンビがわんさか沸いて出て、大暴れ&大バトルになるのかと思いきや、そうでもなく…。
こういうコアな題材にジャンルなので、好き嫌いは分かれそうだが、好きな人には堪らないだろう。
個人的にも単純明快スカッと、意外や痛快なラストまで、飽きずに楽しめた。
B級だけど、A級な面白さ!
今回はプロデュースだったが、J・Jにはコアな作風で今度は監督して貰いたいものだ。

それにしても、『ブラジルから来た少年』でも思ったが、
ナチスなら本当にこんな戦慄の陰謀を…と、思ってしまうのは何故だろう。

近大