「ものすごくイグアナ感の強いゴジラ…3部作で一番の凡作」ゴジラvsコング 閑さんの映画レビュー(感想・評価)
ものすごくイグアナ感の強いゴジラ…3部作で一番の凡作
3部作のなかで一番感じたのは、「この監督誰?絶対前作と違うし、怪獣とか興味ない人だよね?」と思って終わってから調べたら案の定。本作の監督はブレア・ウィッチで一躍有名になってホラー畑なイメージが強い人、なんでそんな人を抜擢したの…??前作のギャレス・ドハティに比べると、怪獣映画なんて一切興味ないけど仕事でやってるんだろうな…というのを随所に感じる。その最たるものがイグアナ感の強いゴジラ。どっしりした姿勢でのしのし動く日本のゴジラと違ってやたらヌルヌルした動きを見せるゴジラにすごい違和感、1998年のハリウッド版ゴジラしかり興味ない人にとってはでっかいトカゲ・イグアナなんだろうな…。前作は監督自身も怪獣映画好きなんだろうなと感じさせるオマージュが色々とみられたが、今作はそれも鳴りを潜めている(地底世界に行くメカが平成シリーズっぽいといえばぽい…??気づかなかっただけで意外とあったのかも?)。メカゴジラに至っては誰アイツ?いや日本の作品のメカゴジラをそのまま持ってきたら一気にチープ感でるだろうから改変はありなんだが、にしてもこう…もっと原作リスペクト的な…なんかなかったんですかね?こちらもやたらヌルヌル動いてて違和感がすごい。
一方のコングだがこちらも…ムジョルニアにキャプテン・アメリカの盾的なもの使い始めて笑う。まあストーリー上はコングのほうが扱いが良くて、人と会話したり故郷の地中世界に帰ったりと盛りだくさん。その割には地底云々とかのストーリー部分は心底どうでもいい感じだったけど…。一番見たいのは怪獣バトルではあるんだけど、それを彩る人間パートもそれなりに重要というか、前作だったら神・災害・地球の守護者としてゴジラやコングを印象付けるとかそういう役割が人間パートにはあったと思うだけど今作はそういうのにも特に興味なさそう。前作だと渡辺謙とか結構重要な役割してたと思うんだが、今作の小栗旬は…なんだろう、渡辺謙と比べると小物感漂う扱いでなんのために出てきたんだろうね…。小栗旬がでるって言ったら日本で売れるからとかそういう商業的なニュアンスしか読み取れない…。いろいろ悪口ばかり並べたが、いいとこ探しするなら香港の街でコングとゴジラが大暴れをするのはよかったと思う。有名な街のモニュメントとかでかいビルをなぎ倒して暴れまくるのは怪獣映画の定番だよね。
全体の結論としては、徹頭徹尾怪獣に興味ない人が上に言われるがまま、ハリウッドのお作法に乗っ取ったシナリオを書き、とりあえずまあ見るに堪えるレベルには作りましたよ的な作品としか感じられなかったかなあ。