「ゴジラ勝つか?コング勝つか? 世紀の大決斗、再び!」ゴジラvsコング 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラ勝つか?コング勝つか? 世紀の大決斗、再び!
ハリウッドで再びゴジラが出現したのは2014年。この時個人的に希望したのは、三部作で、次も新怪獣、ラストにキングギドラを!…だった。
ところがところが!
翌2015年、レジェンダリーがキングコングの映画権を獲得。と同時に報じられた怪獣映画ファン夢のようなニュース。
日米怪獣王の再戦!
コングは2017年に勇姿を見せ、ゴジラも2019年にキングギドラと大バトルを繰り広げ、そしてそしてそして!
当初は2020年5月公開だったが、同年11月→2021年5月と、言うまでもなく恨めしきアレのせいで幾度も延期に。
でも、やっとやっとやっと!
6年前の自分に言ってやりたい。
6年前の自分よ、遂に観たぞ、と。
何やら鈍いレビューも目立つ。
前作のゴジラvsキングギドラのバトルがあまりにも凄かったのでアレを越えられるか一抹の不安もあった。
が、
ばんざーい!ばんざーい!(←分かるかな? 『キングコング対ゴジラ』での多湖部長の台詞)
これぞ劇場で観るべき一大エンターテイメント!
ハリウッドよ、よくぞ作った王道怪獣映画!
ポンポン、ポンポン、テンポも良く、ユーモアもあり、“モンスターバース”の中では一番楽しく、見易かったんじゃないかな。
各々好みはあるかもしれないけど、確かに“シリーズ最高作”の評判に偽りナシ。(ちなみに自分はどれも好きだけど)
さて、何から語るか迷いに迷っちゃう!
まずは、話から。
今回もストーリー展開やドラマ性の弱さを指摘されてるけど、これも毎度言ってるけど、怪獣映画ってそんなもん。上等なものは稀有。スパイス程度に味わえればいい。
ま、確かに話はツッコミ所はあるし、シリーズ全3作から急に大きくSFチックになってるけど、日本の怪獣映画だってあるあるだった。
だけど、二大怪獣王映画の魅力をきちんと抑えていたと思う。つまり、
ゴジラ側は、テクノロジーへの警鐘。エイペックス社なる謎の巨大企業の陰謀。
コング側は、スリルとロマンのアドベンチャー。地球の内側にある地下空洞へ。
それぞれの登場人物とドラマが交錯して展開。現代版『キングコング対ゴジラ』と言っていい。
開幕から登場するなど、コングを主軸に話は回る。
別にいいんじゃないかな。ハリウッド製作なんだし。
それに、今回のコングは同情/共感必至。髑髏島でのんびり暮らしていた…と思ったら、巨大になり過ぎてモナークの監視ドームの中でストレス溜まり、人間の勝手な都合で地下空洞への案内役として島から連れ出され、その途中ゴジラに襲撃され海での闘いで大苦戦…。
ゴジラが圧倒的な強敵で、コングがそれにどう立ち向かうか。
とある雑誌に、“今回のコングは『ダイ・ハード』のマクレーン。ツイてない男”と書いてあったが、全く以てその通り!
ゴジラとて完全に脇に追いやられた端役などではない。要所要所に登場してはインパクトを残す。
自分は2時間の上映時間の内、ゴジラがずっと出続けるより、こういう方が好き。日本のゴジラシリーズでもそう。例えば、『シン・ゴジラ』。ゴジラの登場シーンはそんなに多くない。ゴジラに対抗する人間側のドラマがメイン。しかし、登場する度に堂々たるインパクトを残す。それが、ゴジラなのだ。
“モンスターバース”のゴジラはどちらかと言うと、“ヒーローゴジラ”。脅威的であると同時に、ムートーやキングギドラから人類や世界を救ってくれた。
が、それが嘘のように暴れる。しかし、ゴジラが襲撃するのはエイペックス関係。
それに対し、ゴジラは非常に怒っている…。
ゴジラが現れる時そこには必ず、人間への警告や傲慢に対しての怒りがある。
さあ、前置きはこれぐらいでいいだろう。
我々怪獣映画ファンはこの時を待っていた!
『キングコング対ゴジラ』なんか足下にも及ばないくらいの(失礼! でも、当たり前だ!)、ハリウッドが大スケール!大迫力!現在の技術を駆使して描く、大バトル!
日本の怪獣王(ゴジラ)vsアメリカの怪獣王(キングコング)、59年の時を経て、夢にまで見たリターン・マッチ!
この両怪獣王の闘いが本当に劇場大スクリーンで観られる日が来るとは…(ToT)
映画って、本当に夢を実現させ、魅せてくれるね。特にこんな暗い嫌なご時世の中、思いっきりストレスを吹き飛ばしてくれた。
もうワーナー&レジェンダリーの製作会社ロゴからワクワクゾクゾクドキドキ興奮もんで、2時間終始全く飽きる事無く。単細胞と言うなら、どうぞ。だって、怪獣映画が大好きなんだもん!
コング海上輸送中に、ゴジラ接近警報。ずっとテンション維持してたけど、さらに上がり…、
ゴジラ襲撃! 二大怪獣王、第1回戦!
劇中で両者が遂に顔合わせ!キターーーーーッ!
この海上バトルシーン、予告編などで何度も見てるけど、比較にならないほど燃える!
第1回戦は海上という事もあってゴジラに軍配が上がる。第1回戦ゴジラ勝利というのも『キングコング対ゴジラ』っぽい。
やがてゴジラはエイペックスの陰謀を察知して、香港襲撃。
コングは南極から地下空洞へ。そこはコングの“故郷”。さらに先祖が遺した武器を手に入れる。
そして、ここから一気に香港でのクライマックス・バトルへなだれ込む!
前作ではゴジラとキングギドラ、重量感ある大バトルを繰り広げてくれた。
今回はゴジラがドシッと重量感たっぷりに構え、その分コングが縦横無尽に動き回ってくれる。その対比もいい。
ビル群をなぎ倒し、破壊し尽くし、大爆発!大炎上!
都市破壊&都市バトルは怪獣映画の醍醐味。
ネオン輝く香港で繰り広げられる二大怪獣王の大バトルは、怪獣映画史に残る事必至!
とにかく、これだけでも劇場大スクリーンで観て!
ゴジラの武器は、熱線。
コングの武器は、斧。
それらを使いつつ、ゴジラとこれまでで最大100mのコングががっつり四つに組んでぶつかり合った“怪獣プロレス対決”。
これもまさしく『キングコング対ゴジラ』!
ハリウッドでそれを大迫力で描いてくれるとは…!
クライマックス・バトルは両者、ほぼ互角であったり、優劣入れ替わったり。ここも『キングコング対ゴジラ』っぽい。
かつては両国に配慮して引き分けに終わったが、今回は勝ち負けが決まる!
納得いった決着。実は当初は今度はハリウッドで製作されるんだからどうせあっちが勝つんでしょ…と思ってけど、意外にも。そりゃあやっぱりね、見た目的にも戦闘能力的にもこちらの方が勝ってるに決まってる!
…だけど、これで終わりじゃなかった!
まさかまさかの!第三者が介入!…とは言え、実を言うと、噂には聞いていたんだけどね。
でも、『ゴジラvsコング』を観に来て、ゴジラvs○○○○○も見れるとは!
さらに、コングvs○○○○○も見れるとは!
さらにさらに、ゴジラ&コングvs○○○○○!
賛否あるかもしれないけど、何だかんだ興奮してしまった!
にしても、アメリカはロボット好きよね~。こういう共闘好きよね~。
すでにキンゴジ、キンゴジと言ってるけど、今回もオマージュいっぱい!
そのキンゴジからも他に、コング海上輸送、ヘリ輸送、電力で復活。
○○○○○に関して言えば、人間の脳波でコントロールやキングギドラをベースに作られたとか、お約束のゴジラの熱線とビームのぶつかり合いとか、ファンならこの通ネタ絶対分かる筈!
スリラーの印象強い監督のアダム・ウィンガードだが、彼も熱狂的な怪獣映画ファン。“モンスターバース”の監督チョイスも絶妙!
今回伊福部音楽は使われなかったけど、ジャンキーXLも熱狂的なゴジラ好きで、彷彿させる音楽で盛り上げてくれる。
キャストでは新参加の面々が活躍を見せ、続投組ではミリー・ボビー・ブラウンが魅力的に成長しちゃって。でも、日本では大々的に報じられた人気俳優の本作でのハリウッド・デビュー、端から期待してなかったけど、“期待通り”だった。まあ、色々経緯聞くと不憫ではあるけどね…。
クオリティーの高い作品やドラマ性の高い作品とは別にして、エンタメ作や長年の愛着度では現時点で本年度1位!
満っ足! 6年待ち望んだ甲斐があった。
怪獣王の座を懸けた闘いを繰り広げ、共闘し、人間味ならぬ怪獣味たっぷりに通じ合う。
ゴジラとコングは言わば、永遠の好敵手。
太古の昔から、59年前も、今も、そしてこれからも。
“モンスターバース”は一応本作で区切り。
…でも! せっかくハリウッドで復活したゴジラとコングがこのままおとなしくフェードアウトするわけないだろう。
そして日本でも、また新たなゴジラ映画や怪獣映画を!(まずは『シン・ウルトラマン』の公開を!)
怪獣映画は永遠!
そっか、ゴジコン発表があって6年も経ってたんですね‼️
近大さんの怪獣映画愛が伝わってくる良きレビューでした。現時点では東宝がレジェンダリーとパートナー継続するかわからないみたいですけど、是非とも続けて欲しいですよね‼️
コングはついてない男。
なるほど、確かに。
→髑髏島の時も、コングは『やれやれ』と言ってたような記憶があります。
(もちろん、私の解釈なのでそんな字幕は出てません😓)
近大さん。共感ありがとうございます。
近大さんの怪獣への溢れる愛を感じました。私も今回初めてアメリカ製作の映画を観ましたが映像 音響 迫力がスゴい。2Dで観ましたが臨場感たっぷりでした。怪獣映画はロマンがありますね。
ウルトラマンも観たいですね。😊