「なるほどそうかと思うものの」Be With You いま、会いにゆきます Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
なるほどそうかと思うものの
はじめの方の展開いいんだよね。「お母さん死んじゃったらそうだよね」とか「妻がいなくなったらそうなるよ」とか、がんがん感情移入できんの。
そこに「え!」って死んだお母さん・妻が現れるからさ、「良かったあ!」って思えんの。
甦った妻は記憶がなくてね、二人の馴れ初めを聞かせてくの。そこの回想シーンもいい。
それで、段々と、記憶は戻らないものの、母・妻の心を持つようになってくんだよね。そこも説明台詞とか使わなくてうまい。
「でもこれ、お母さんもう一度死ぬよね。そこは不可避設定でしょ」と思っちゃったところで醒めたのね。これさ、旦那と息子に、家族と別れる悲しみを、もう一度味合わせるだけなんだよ。
時間をかけて癒やしていくしかないことなんだから、ここで甦らせたってしょうがないじゃん。なんなのこの設定……と思っちゃったのね。
まあ、それでも、料理・洗濯・洗髪・掃除と教えて、息子に「僕がお父さんを守る」って言わせて、お父さんもトラウマ克服して、そういう死ぬ前にやり残したことをやって、皆の気持ちの整理を付けたからいいのかなあって。
そう思ったところで、25歳のときに交通事故にあって、気づいたらこの時代にきてました!って種明かしになるの。そして『32歳で死ぬとしても、私はあなた達がいる未来が良い!』って「いま、会いにゆきます」ってことだが、おかしいでしょ。
32歳で死ぬって記憶を持ってるなら、死ぬ前に、息子に料理・洗濯・洗髪・掃除を教えるよね。旦那の親友に毎年の息子の誕生日に手紙を届けてくれって頼むよね。なんで、それしてないんだろ。
という無理設定は感じるものの、そもそも死んだ人が甦るという無理設定を受け容れて観てるんだから、まあいいか。
種明かしで解る「実は私も最初からあなたが好きでした」と、そのときのツンデレっぷりはいいね。韓国女優ならでは。
それと韓国映画は「色々あったけど、ずーっと好きでした」って設定が、結構好まれてる気がする。
まあ映画としては面白いかもだけど、好きならすれ違ってないで早く付き合えば、楽しい時間も多くなるからね。早く素直になって好きって言った方がいいよ。実生活は。