「ペンは剣より強し?」フロントランナー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ペンは剣より強し?
不倫スキャンダルで失脚した1988年米大統領選の民主党有力候補ゲイリー・ハート議員の選挙運動中の苦悩の日々を綴っています。
映画はニューヨークタイムズマガジンのマット・バイが書いた「All the Truth Is Out: The Week Politics Went Tabloid」をベースに元ヒラリー・クリントンの報道官ジェイ・カーソンらによって脚本化されたのでリアルな内幕ものになっています。
奴隷との間に子をもうけたジェファーソンからマリリンモンローとJFK、クリントンのモニカ・ルインスキー事件など大統領の下半身スキャンダルは呆れるほど、トランプにいたっては元AV女優に口止め料を払って開き直っている。なんで今更という感想と、理想と現実、本音と建て前など頭の中で様々な解釈が錯綜。
隠ぺい、嘘つきが当たり前のような政治の世界で身を引いたゲイリー・ハート議員はましな方かも知れません、ただ潔いかと言えば半年後に再出馬、再撤退となっているので微妙。予備選には今の大統領のバイデン氏も出ていたがスピーチ盗用を叩かれて撤退している、指名はマイケル・デュカキス、マサチューセッツ州知事が勝ったが本選では共和党のパパ・ブッシュに敗れていますね。
映画としてなら元CIA長官のブッシュが仕掛けたハニートラップと言う方が面白い。
マイアミのタブロイド紙にも問題ありかも知れませんが所詮、身から出たさび、JFKの再来と持ち上げる人たちもいるようですが参謀のビル(J・K・シモンズ)の意見にも耳を貸さず、自身の危機管理が甘いのでは大統領には疑問かも・・。
タブロイド紙と馬鹿にしがちですが今や日本でも文春砲が政治倫理の見張り番のような昨今ではジャーナリズム全体が存在意義を問われているのでしょう。
アメリカ人には生々しい事件だったのでしょうが個人的には映画にしてまで観る話か、熱が入りませんでした。