「設定がかなり雑な作品」孤独なふりした世界で yoneさんの映画レビュー(感想・評価)
設定がかなり雑な作品
「ゲーム・オブ・スローンズ」でティリオン役を演じたピーター・ディンクレイジが主演。
何故か人類が死滅した世界で生き残った、過去の世界にだけ生きる男と、ロボトミー的な手術?を受け未来しか見ていない女の物語。
この設定は面白い。
過去にだけ生きる男は、トランプを支持する過去のアメリカの栄光にすがるネトウヨ的な共和党支持者のようだし、未来しか見ていない女は、過剰なリベラルを想起させる。
どちらも両極すぎて接点も妥協点もない感じ。
しかし、この作品では、両者は最後歩み寄る。
その先に二人がどうなるかは観た人に委ねられている。
まぁ、良い終わり方かな、と思う。
ロボトミー的な手術の背景や、黒幕っぽい男の倒し方とか、どうも雑な感じが拭えなかったけど。。
結局、過去も未来もどちらも大事、っていう当たり前の結論でしかないわけだが、最後のシーンで未来しか見ていない人たちが街中を歩いているシーンのグロさが良かった。印象に残るシーン。
「俺/私って前しか見てない、過去を振り返らない人間なんだよねー」と自慢げに話す人間の愚かさがよく表現されている。
どちらも大事だが、時間軸を考えると、まずは過去を振り返り、良いところは残し反省すべき点は反省して改善しつつ、未来に向かうしかないのだろう。
日本でもネトウヨは何があっても安倍支持だし、リベラル側はとにかく反安倍で、どちらも論理がない。
何故支持しているか、支持していないかを、双方話し合って妥協点を探る場がないように思う。
この作品のラストのようにお互い歩み寄れるのだろうか?
あるいは、この設定のように人類がほぼ死滅するまで歩み寄れない、という暗喩なのかもしれない。
まさに原題通り、「I think we’re alone now」なんだろうな。