「井口監督」惡の華 たけ(c)さんの映画レビュー(感想・評価)
井口監督
デッド寿司、ヌイグルマーZ、電人ザボーガー。
正直、井口昇監督はB級映画のイメージが強い、いや完全にB級映画の監督だ。
そして今作、悪の華はとても素直に、言わば無難に、忠実に原作を再現するかのように、丁寧に描かれて行くストーリー。
押見先生の原作がとてつもなくパンクで、文学で、物語の推進力を持っているため、そのままを映像化すればいいだけなのかも知れない。
が、しかし。
が、しかしだ!
春日クンが、仲村さんが、佐伯さんが、常盤さんが、井口昇監督が!
俺達を殺しに来たぞ!!
シーンの、カットの、セリフの一つ一つが刃物で、鈍器で、人の心をえぐるための尖ったスプーンだ。
痛みと記憶と涙で殺されそうになる。
別に映画はエンターテインメントが全てじゃない、人を刺し殺す装置で有ってもいいと思う。
井口監督で良かったと思う、つたなさを含め最高に。
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