「アイズワイドシャットの日本版⁈」108 海馬五郎の復讐と冒険 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
アイズワイドシャットの日本版⁈
こういう裸とかSEXの場面が多い映画は、理屈とか感情を通り越して直接、本能というか生理的な反応が先に立ってしまうので、色欲だとか嫉妬心とかの恥ずかしい本音の部分に向き合わされて、意外と重いしこりのような感覚が残りますね。結構笑えるギャグも多いのに。
そういった意味では、スタンリー・キューブリックの『アイズワイドシャット』を見た後の気分と似たところがあります。
おしどり夫婦、などという表現で仲の良い夫婦を讃えることがありますが、夫婦としての人間関係を変わらぬ愛情で何十年も続けることは実際には殆ど不可能なことだと思います。子供のこと、仕事のこと、家事のこと、お互いの親との関係など様々な出来事を通じて、相手の対応の仕方が許せなかったり嫌になったり、考え方の違いが分かったりするわけで、それらを認め合ったり、無理矢理飲み込んだりする努力がなくては長期にわたって関係性を維持できません。
おしどり夫婦と呼ばれる方々は、きっとそうやって色々な局面を乗り越えてきた年月を、ある時点で振り返り、あらためて相手の努力への敬意や感謝の気持ちを持てる機会があったのだと思います。
愛情にも新陳代謝が必要で、ただ好きということだけでは長続きせず、感謝や敬意を通じて育まれた相手への慈しみが必要なのだと思います。
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