「とても切なくて、心が痛くなるような」殺さない彼と死なない彼女 紫乃さんの映画レビュー(感想・評価)
とても切なくて、心が痛くなるような
クリックして本文を読む
けれど愛しくて、確かに優しい気持ちになれるような、いろいろな感情を与えてくれる物語で鑑賞してよかったと心から思います。
伏線の回収が衝撃的すぎて、最初は鹿野のように信じられなくて受け入れられずに観ていたけれど、
夢に出てきたことによって、もう会えないんだと、好きだと伝えられなかったのにと、忘れたくなんてない、思い出になんかしたくない、置いていかないで、と私まで感じられて鹿野が「お前がいない世界でなんて生きていたくない」と言って泣くシーンで私まで彼女の気持ちになって苦しくなり、胸が締め付けられて泣いてしまいました。
また、奥華子のはなびらが流れるエンドロールで目を閉じて聴いていたら、優しい歌声とそのまま鹿野の気持ちを歌っているような歌詞が心に沁みて切なさでいっぱいになって涙が溢れて仕方ありませんでした。
私も生きづらさを抱えている人間なので、自分が嫌いだから、生きている世界が悲しく感じられるから、自分を傷つけずにいられなかったり、どうしようもなく寂しくて愛を求めてやまないのに、嫌われるのが怖くて自分から離れてしまったりと共感できる部分も多かったです。
みんな純粋でとても心が綺麗で、だからこそ、
その繊細さ故に傷つきやすく悲しみを抱え込んでしまうのだと、それでも懸命に生きているのだと感じ、別のお話だと思っていた登場人物が次第にすべて繋がっていくことによって、痛みを知っているからこそ他人にも優しくできるのだと感じられるような、きっと何度でも観たくなるだろうと思えるような物語でした。
久しぶりに心が揺れ動かされたので、この素敵な作品に出会えてよかったと思います。
コメントする