「ラブラブ宝物」映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ラブラブ宝物
映画クレヨンしんちゃん27作目。
矢島晶子から小林由美子にしんのすけの声が交代して最初の劇場版。
TVアニメもたまに見ているが、違和感は全くナシ。
それにしても今回の劇場版、タイトルを最初に聞いた時、ウケた。
“失われたひろし”って…、モロあの名作アドベンチャー映画!(笑)
それを彷彿させるような大冒険!
ハラハラ、スリル、ユニークなトラップの連続!
その名作アドベンチャー2作目のようなトロッコ・チェイス。
ひょんな事からしんのすけたちと行動を共にする事になった“運の悪い”女トレジャー・ハンターの名はズバリ、“インディ・ジュンコ”!(声担当は木南晴夏で、さすが若手演技巧者なだけあって、巧い!)
他にもマッドなバイオレンス・アクション映画を彷彿させるような荒野の爆走チェイス、ラストはキングコングならぬ“キング○○○”登場!
映画ネタもたっぷりで、ここ最近の中では『ユメミーワールド』に次いで面白かった。
あいみょんの主題歌も良かった。
一見“しんのすけ版の…”という感じだが、実はそれがメインではない。
メインは、ひろしとみさえの夫婦愛ラブストーリー。
そもそもの冒険の始まりは…
格安新婚旅行にひろしを誘うみさえ。
結婚時お金が無く、実は新婚旅行に行ってないこの夫婦。
ひろしもまんざらではなく、いざオーストラリアの秘境“グレートババァブリーフ島”へ。
金環日食の下で、ラブラブ家族写真を撮る!
…ところが、誤解でせっかくの新婚旅行が喧嘩ばかり。
そんな時、ひろしが謎の仮面族に連れ去られてしまう。
島に伝わる宝を得る為、姫様の“花婿”に選ばれてしまったひろし。
その宝を手に入れようと、仮面族とトレジャー・ハンターたちのひろし争奪戦。
しんのすけとみさえはひろしを助けに向かうが…。
喧嘩や愛想尽かしはこの夫婦の日常茶飯事。
姫は一目見たらメロメロになるくらいの美人らしく、そのお姫様とお宝に囲まれて、一生遊んで暮らせる。
どっちがいい?…なんて、愚問。
だからみさえは冒険や危機を乗り越えてまで、奮闘するのだ。
やっとひろしの下に辿り着いた時、まさかの言葉…。
さすがにショックで泣き叫ぶが、それでも夫を信じる。(←ここ、今回の一番の名シーン!)
その姿、本当にタフ! 今回の主役はみさえさん!
ひろしも然り。まさかの言葉には訳が…。
序盤のネネちゃんの台詞の如く、「新婚旅行は愛が試される」!
でもやはり、今作もまたひろしの名台詞が物語る。
「本当のお宝ってのは、人生を懸けて夢中になれるものの事なんだ」
「大人になるまで、ゆっくりと自分のお宝を見付けろ」
「俺はとっくに見付けてるぜ」
秘境アドベンチャーと夫婦愛ラブストーリーという異色ミックスだが、それを“クレヨンしんちゃん色”で巧みにミックス。
一番の宝物は、言うまでもない。
こんな家族と出会ったら、こんな家族になれたら、それが宝物。