「観てよかったなぁ」風をつかまえた少年 ruさんの映画レビュー(感想・評価)
観てよかったなぁ
映画館から出てスマホの電源をオンにしたとき、さっきまでスクリーン上であんなに切実だったことと全くかけ離れた話題が溢れていてちょっとクラクラした。
これがたかが20年ほど前の話だなんて…。
涙も枯れる苦難の数々、瀕死の状況にある集団心理の危うさ…かなり迫力ある描かれ方でしたが、過剰さはなく青少年にも飲み込める絶妙な匙加減が良かったと思います。
正直いくらでも悲劇色を濃くすることはできるので…。(幼い妹さんが成長して良かったし、悲しいけど相棒の犬が自然に倒れたのも優しさかも)
ライオン・キング(2019)のヴィラン、スカーの声を当てたキウェテル・イジョフォーさんが監督・脚本・出演。ここでも情けなさ愚かさもあり、そして憎めない大人の男を演じています。
超実写版ライオン・キングからはアフリカの自然の偉大さや命の尊さを感じられなかったのですが、裏表でこちらの作品に触れることができて縁があったなぁと満足しています。
全くの余談ですが、主人公ウィリアムを演じた少年のお名前がシンバなんてミラクルw
監督は蠅の羽音にこだわりがあったのでしょうか…妙に印象に残っています。
ラストの明るい光で吹き飛ばしきれないほど作品を覆う闇は濃かったですが、ライオン・キング、天気の子と本作を並べて観ることができた2019年の夏は幸運だったなと感じています。
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