呪われた死霊館のレビュー・感想・評価
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そこそこ怖くて痛い
フェイクの除霊をしていたらリアルな恐怖に巻き込まれるというのはよくある設定。無害な依頼者だと思われた人が実は狂人だったという点も同様。それ故この作品はオリジナリティにはやや欠けるが、それでもけっこう怖い。
それにしても、この無責任な邦題は何とかならないものか。あの『死霊館』とは何の関係もないのだから。
んー、どぉなの???
インチキな霊媒で、依頼主からお金を騙し取る兄妹とその仲間。
いつもの様に仕込みネタで依頼主を騙し、早々に退散するつもりだったのだが…。
主人公の女性の兄が、ウンコみたいな奴(笑)。
今回の舞台になった館の女主人も、なんだか良く解らないし、点と点が繋がらないので全く入り込めなかった。
口封じの為に口を封じるとか…
チョッと私的には面白くないし、そんな惨劇の?館にわざわざ(自称)霊媒師を招き入れる意味も解らなかった。
アタマがイッちゃってるからか、自らの犯罪を暴露するかの如く他人様を呼び込むのか?…チョッと理解に苦しむと言うか、良く解からんかった。
縫い封じられた叫び
自分は半年ほど前からNetflix に加入しているが、本作はそのNetflixオリジナルのホラー映画。
……このヒネリもヘッタクレもない邦題については余談で言及するとして早速レビューを。
あらすじ。1986年のイギリス・グラスゴー。
著名な霊能力者だった母が亡くなり、その名前を使ったインチキ徐霊で金を稼いでいる兄妹。
借金まみれの兄ジャクソンのためにいやいや霊能力者を演じている妹アンジェラだが、
実はアンジェラも、この世のものではない何かが見えるようになり始めていた。
ある日、少女3人が惨殺された古い館の徐霊を依頼された兄妹とその仲間2人。
だがその館には、これまで彼らが扱ってきた案件を遥かに越える危険なものが潜んでいた。
...
まず、いたずらに派手な音やエフェクトを用いない静謐な雰囲気の恐怖演出が好み。
冒頭の逆光マネキンとか、中盤のトイレ内のシーンとかは抑制利かせつつも怖かった。
幽霊ホラーではあるがスリラー的要素もある物語で、生きながらに口を縫われる等の
生々しい残酷描写もあったりするので、人によってはそこはちょっと注意かも。
幽霊屋敷を舞台としたホラー&スリラーではあるが、ドラマの主軸は、
主人公が『この世のものではないものが見える』という力とどう向き合うかだ。
自ら命を絶った母を思い、自分もそんな状態に陥るのではと怯えているアンジェラ。
そんな彼女が、館の幽霊や兄との関係を通し、自身の力を受け入れていく流れは優しい。
アンジェラ役フローレンス・ピューも良いが、館の徐霊を依頼してくる老婦人グリーンを
演じたセリア・イムリーの、優しさと厳(いか)めしさが同居した存在感も良いね。
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しかしまあ、演出を抑え過ぎて細かな部分が伝わらない点も多々あり、
少女達を殺害した犯人の犯行理由、幽霊たちがあの最後の行動に至るまでの
主人公との関係の描き方、主人公兄妹とその母親との過去など、ミステリ要素や
ドラマにつながりそうな部分までイマイチ伝わってこないのは難点だと思う。
怖いシーンはあるにはあるが、ハッキリと幽霊が危害を加えてくるようなシーンの分量も
控え目なので、幽霊ホラーとしての恐怖度・満足度は正直言ってあまり高くはなかった
(物語のテーマとしてそこを最大の恐怖対象とするつもりがなかったとも思うが)。
むしろスリラー要素の方が若干強めだが、そこも背景や設定が曖昧な部分がありスッキリせず。
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というわけで、
ドラマには魅力的な部分もあるし、幽霊ホラー要素とスリラー要素の両方が
味わえる点は良いのだが、どちらの要素も抑え気味で描写がぼんやりした部分も多く、
総じてインパクトの弱い作品になってしまったという印象。イマイチの2.5判定かな。
<2018.10.15鑑賞>
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余談:
Netflixについては過去の秀作や珍作も多いので概ね満足してはいるのだが、たま~に
首を傾げたくなるような邦題の作品やら作品紹介文やらが転がってる気がする。
そのなかでも本作の邦題は……いやー、群を抜いてヒッドい(笑)。
まあ原題は『malevolent(悪意)』なので邦題に持ってくるには難しいと思うが、
独占配信のオリジナル作品で『呪われた死霊館』というパチもんみたいなタイトルはどうなのか。
だいたい呪われてない死霊館なんてあるん? なんなんその『操業してない廃工場』みたいな言い回し?
タイトルだって作品の一部なんだから、そこを考えるのをおろそかにしちゃいかんと思います。
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