まったく同じ3人の他人のレビュー・感想・評価
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構成が見事!
とても良いドキュメンタリーだった。
何も知識なく観たのだけど、
最初には思いもつかなかった結末に導いてくれる。
最初は単純にドラマチックな話かと思って、
そこから人気者になり、
破滅して行くと言うよくある話かと思ったら、
恐ろしい存在に辿り着く。
自分も環境が人を作るんだ!と思ってはいたけど、
精神疾患含め病気などは遺伝なのではないか?
と遺伝というものに恐怖を感じていて、
実際遺伝には敵わないという始まりから
それを凌駕するのが環境だと言う事に辿り着く
ストーリーは見事だなと思いました。
最初に見せた何気ない会話や映像が伏線になってたのも
よく出来てるなと思いました。
やっぱり似ているんだ遺伝ってすごいなと思わせて
似てる所ばかりに注目して違いや内側を見てなかった
と言う台詞には拍手を送りたくなりました。
しかし研究者と言うのはなんでこんなにイケすかないのか…
世の中には同じ顔の人が3人いる
よくドッペルゲンガーという怪奇現象を説明する時に引きあいに出される俗説だが、もし現実にそんなことが起こったら…。この映画はざっくり言うとそんな話。ただしホラーでもコメディでもなくこれはドキュメンタリー。ガチで現実に起こったことだ。
偶然同じ大学に進学したことで、同じ顔の人間がいることが分かる。2人は双子でテレビや新聞で紹介される(プライバシーについてはわりとおおらかな時代なので)。報道を見て同じ顔の3人目が名乗りをあげる。ようするに三つ子だったわけだ。
3人の写真や動画がいっぱい出てきて最初は不思議だったのだが、この3人はドラマチックなエピソードもあって当時のアメリカではなかなかの人気者だったらしい(マドンナの映画にも通行人役で出るほど)。
ここで終わればハッピーエンドなのだがそうはならない。いろいろおかしいことが多すぎるのだ。通常里親には兄弟がいるかどうかは普通は周知するがこの兄弟については何も言っていない。また一人は裕福な医者の家庭、一人は教員の中流家庭、もう一人は移民で英語が母語でない労働者階級の家庭に養子に出されている。まるで何かの実験みたいに。
この映画の結末は痛ましい事件が起きてしまってなんともいたたまれない気分になる。三人は労働者階級のおじさんの家に集まるのが大好きだった。おじさんは三人とも自分の子供のようにかわいがってくれたからだ。この映画のテーマとは直接関係ないけれど、お金がある裕福な家庭の方が幸せだなんてずいぶん短絡的な考え方だと思い知らされる。
真相は今のところはっきりしないけど、アメリカってこの手の人体実験とか平気でやりかねない怖いところが確かにある。
悲しい実話
前半はハッピーなドキュメンタリー映画から始まる
1980年の話
3つ子のうち2人が同じ大学に行った事で
同じ声、同じ誕生日
同じ養子縁組の会社ルイーズ・ワイズ・サービスだと知らされる。
地元新聞にふたりの写真付き記事が掲載されると
もう1人自分達に似た人物が現れた。
当時は大ニュースになり、番組にも出演し
自分達のお店をオープンし大反響。
人生の成功者まで登り詰めているようだった。
なぜ3人が離れ離れになってしまったのか
真相を知るべく3つの家族が動き出すと
突然サスペンスに変わった。
同じDNAを持った3人を
労働者階級、中流階級、富裕層に分け
人間の成長は生まれによって変わるのか
環境によって変わるのか人体実験が行われていた。
この研究の第一責任者はピーター・B・ヌーバウワー
助手だった2人が出演しているのだが
この人達は悪い事をした罪の意識は無さそうだった。
インタビューにも
ミスは許されない「君は兄弟にそっくりだ」なんて
口が滑ったらクビにされちゃうからねと笑顔で答えた。
さらに、研究結果などは公開されていない
なぜなら自分が双子だと知らない人達が
少なくても4人はいるからね
その人たちが死ぬまで公開されないだろうと語った。
昔の人はこんなに冷酷なのかと思わされる
生まれた時代が違ければ
3人は産まれた瞬間からおじいさんになるまで
一緒にいれたと思う、一人も欠けることなく。
前半のハッピーな流れと後半の重苦しい雰囲気のギャップがえぐい
評価高いドキュメンタリーってことで期待してたがそこまで面白くなかった。3人が再会した所がピーク。
前半再会してからのハッピーな流れと、後半実験が明らかになる重苦しい雰囲気のギャップがえぐい。研究解明パートはダラダラ長いし退屈で眠くなった。
しかも結局最後に観覧許可がおりても研究目的や結果が分からずじまいなのはモヤモヤする。研究を秘密にして隠してたってことはやましいことがあるって事だよね。人の人生壊しといて意地悪いわ。
前半と後半で全く印象が変わる話
前半はやっぱり、奇跡的な再会とそれによって稀有な3人がスターになってく様の美談的なところにワクワクしたけど(3人のうちのひとりの養母が、3人目が発覚したときにもらした「どんどん増えてく!」に結構笑った)、後半のゾッとする展開には身につまされた
タイトルなし(ネタバレ)
三つ子が奇跡的に再会する、そこから始まるハッピーストーリーかと思っていたら、想像もしていなかった事実と結末が…。
昔習った心理学で、遺伝子は同じ一卵性多胎児でも全く同じ人になるわけじゃない、人を創るのは遺伝と環境って学んだわけだけど、まさかこういう悲劇的、非人道的研究の成果だったのかと思うと、自身の研究の為に他人の人生を使える心理もまた研究すべき人間の影だと思う。
最後、結局一人が亡くなってしまったのは環境のせいであるような結びは、お父さんにとってはあまりに辛すぎる展開じゃないだろうか。厳しい、お家でも教師であり続けたお父さん。だからってその関係が彼を作った環境のすべてでもないんだから。
この研究、実験のすべてが公表されるといいな。
行き別れた三つ子の感動物語と思ったら。。
養子としてそれぞれ別の家庭で育った三つ子がたまたま同じ大学に通っていたことから、もう一度再会したアメリカではちょっとしたニュースになった話。
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これだけでも1本の映画に出来そうななかなかの奇跡の話だけど、実は三つ子が生き別れたことには衝撃の事実があったっていうドキュメンタリー。
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いやこんな平和そうなドキュメンタリーからこの展開は想像してなかった。なんでこの映画がドキュメンタリーかの意味も効いてくるよね。べつに三つ子が再開するだけの話なら、ドキュメンタリーじゃなくて普通にドラマの方が面白い。
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私は研究に関わってた人達がインタビュー中に必ず言う、私は研究のメンバーじゃないってところがめちゃくちゃ引っかかった。
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正式なメンバーじゃなくても関わってたってことはその研究に加担した責任がどんなに末端の人でもあると思うけど。
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グロテスクな研究
はじめは遺伝子の奇跡に感動して、物語が進むとだんだん呪いのように思えてきて、すこし悲観したけど最後のまとめで救われた。↓
遺伝と環境の影響は互角だと言わざるを得ない。
遺伝子によって導かれる方向はあるだろうがそれで我々の運命が決まるわけじゃない。
環境にはすべてを圧倒する力があるはず。
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