「いい作品だがワリと難しい」青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
いい作品だがワリと難しい
この作品はTV版からの継続作品なので、TV版未視聴の方は多分何のコッチャ訳解らないでしょう。理解するにはバニーガール編からの全編を通した物語として観ないとダメなヤツです。
自分も勿論TV1話目から欠かさず視聴(配信版で)しましたが、当初はこの物語の柱であり根幹でありキモの部分〝思春期症候群〟と言うワードが良く理解できませんでした。現実の類似した精神疾患等とゴッチャに誤解したせいです。
観ていくうちに、ソレはそう云うもの、と理解してからはすんなりと付いて行けましたが‥‥。要は考えながら観る作品ですが考えすぎると却って解りにくくなる、加減のとり方にコツが必要です。
今作も良く良く集中して全てのセリフや展開をシッカリ咀嚼しないと、理解するのが少々大変です(自分だけかな?)。
内容はナカナカ切ないもので、究極の選択を迫られて互いが苦しみ合う展開です。中でもサクタは苦しんだ挙げ句に思い通りにならず自暴自棄になって、そのせいで周囲も苦しみ思わぬ事態を引き起こすなど、観ていてやるせなさが何とも痛々しくなります。やり場のない複雑な思いと感情がうずまき、それでも先に進むにはやはり辛い選択をせねばならない、心と感情の葛藤が切なく描かれていますが‥‥。
実はそう云うクライマックスに於いても内容の理解を優先したせいで、頭の中がとっ散らかってイササカ感動する暇がありませんでした。あの年末から年始にかけての流れがまだよく理解できていないのと、翔子“さん”の行動原理はやはりサクタにアレして欲しくない、で合ってるのかな?
ともあれ何やかんやの末にたどり着いたあの結末ですが、正直あの〆のシーンは不要だと個人的に考えます。てか賛否分かれそうな部分ではないでしょうか。小説はまだ続いてるようなので、あれも続編の伏線と捉えられなくはない様ですが‥‥。
TV本編も比較的評判も良かったので、予想外に席の確保に手こずってしまい、日曜日レイトでやっと観られ、火曜日に2回目を鑑賞しました。人気の理由も納得の良作です。