「TVシリーズ視聴要、運命と戦う少年少女の御話」青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない s kさんの映画レビュー(感想・評価)
TVシリーズ視聴要、運命と戦う少年少女の御話
舞台の藤沢・江ノ島に習って、辻堂109シネマにて視聴。
本作はTVシリーズの直後のお話なので、TVシリーズ未視聴の方は、
・キャラ紹介無し
・TVシリーズのダイジェスト無し
なので、推奨どころか門前払いですので悪しからず。
先ずは、作品の環境として、勿論TVシリーズの続編の為、声優陣はTVシリーズの続投。
昨今のアニメーション映画のような豪華声優陣(笑)とは違い、安心して見る事が出来るので有難い。
作画は元々綺麗ですが、映画では少しだけクオリティが上がっています。
ただ、もう少し頑張って欲しいような気もします。あくまでもTVシリーズの延長感のあるアニメーション作りだったので、映画の特別感が薄いような気もしました。
ストーリーですが、
端的に言えば、藤子不二雄よろしく、少し不思議なサイエンス・フィクションの世界の中で、主人公達が目の前の命に一生懸命向き合う話。
ただし、出てくる人物は、等身大の学生ではなく、超人的精神の持ち主ばかりです。
自分を失わないと目の前の人の未来が失われてしまう。自分を失うと、愛する人を孤独にしてしまう。
愛と死の狭間での選択と、その先の未来を変える力が、今の自分にある。……と言うのは、誰もが憧れる胸アツの展開です。
命を救う為に犠牲になる事を見据えた時、周りの悲しさを描いたシーンは胸をうたれました。
ただ、自己犠牲や他者への愛の深さが、あまりにも高尚なので、そこの自己犠牲に対する恐怖の描写が少なく、愛する人を失った喪失感を多目に描かれていました。
また、元々、論理もクソもない話なので、ご都合主義的には見えがちなお話です。
ロジカルな話が好きな人には、SFとは言えおススメ出来ません。
まぁ、TVシリーズにて世界観を捉え、しかもその世界を好きだからこそ、劇場版を観に行く訳ですし、観る方には問題無いかと思います。
何よりヒロイン達が全員愛らしいし、悪人が1人も出てきません。
優しい世界で運命と戦って、その上で目の前と、これからの未来への幸せ求める為に、選び進む。
観た後には、きっと人に優しくなれる。
そんな映画だと思います。