十二人の死にたい子どもたちのレビュー・感想・評価
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いやいやいや、ミステリー?
なんだこれ。最近の堤作品はつまらないものが目立つけれども、ここまで伝わらなかったものは久々だ…
なんだろう、初めからストーリーが読めてしまった。それぞれの役割?は面白いと思ったけれど、入れ代わり立ち代わりのああいうストーリーはあそこまで完璧にされちゃうとハラハラはないよね。
ミステリーと言いながら、誰かが死ぬとかとかはないし、際立つキャラがいる訳でもない(まぁ死にたいんだからそうなのかもしれないが)からメリハリもなく、
新進気鋭の俳優を集めました〜。これから人気出ますよ〜、見てね〜。映画の質は分からないけど〜
って投げやりに撮ってるようにしか思えなかった。
楽しみにしていただけに残念。
そんなことを言いつつも、好きな俳優は沢山出ていて見ることは出来た。
古川琴音さん、これから期待したい女優。
メンバーの中でもかなり感情が伝わってきた。
黒島結菜さん、表情のインパクトが凄いし
声のがすごく好き。もっと活躍して欲しい。
杉咲花はこういう役が合うよね笑
萩原利久さん。今1番注目している俳優。
ただ、志乃ちゃんは〜の南沙良のような吃音チックな役は
なんでわざわざ萩原利久にそれを?と疑問。
北村匠海はそのままでした。
吉川愛はいつも通りかわいいです。
そんなところです。
子供ではないですよね
【ネタバレしない程度の観た感想】
これはファインプレーだ。
冲方丁の原作を堤幸彦監督が映画化。ニクいまでに堤色が薄いので驚いた。
冲方丁は「天地明察」で本屋大賞を受賞しており、本屋大賞受賞作家としてのプレッシャーもあると思われるが、湊かなえや伊坂幸太郎ほどではないにしろ、新刊をコンスタントに出している。
その冲方丁が初めて取り組んだミステリー、ということになっている。
小説ではよくわからなかった、12人が集まるまでの人の動きがよくわかっただけでも映画化の値打ちはあった。エンドクレジットでもう一度おさらいしてくれるのも親切であった。
原作で描かれた濃密なそれぞれの悩みは、2時間程度では描ききれない。またアンリ(杉咲花)の主張は、原作と違っていたりする。
だが、そういったことは12人のアンサンブルがカバーしてくれた。
杉咲花、高杉真宙、新田真剣佑、北村匠海、黒島結菜、橋本環奈という名のある人たちの演技は見ごたえがあったし、
渕野右登、坂東龍汰、竹内愛紗、吉川愛、萩原利久、古川琴音のオーディションで選ばれた面々も頑張っていた。
映像的にはカットを割っていても、ワンカットで撮っていたシーンもあっただろう。役者たちは、それによくこたえていた。
倉持裕の脚本も、それぞれのバックボーンに深く踏み込まない選択をした脚色で、その潔さは買いである。
彼らの思いは観た人それぞれが受け止めればよいのではないか。
生きていく価値を訴える。異色かつ上質なミステリー。
【賛否両論チェック】
賛:序盤に起きた数々の謎が、次第に綺麗に明かされていく様が、ミステリーとして上質。それだけにとどまらず、「命の尊さ」を踏み込んで訴えかけていく内容も印象的。
否:どうしても似たようなシーンが多く、見方によっては退屈してしまいそう。
集団安楽死をしようとしていた少年少女達が、もう1人の遺体を発見し、その謎を追っていく本作。その真相が明らかになるにつれ、冒頭に起きていた数々の不可解な出来事が、綺麗に1つの線に繋がっていく様が、ミステリーとして見事です。
そしてこの作品のもう1つの魅力は、決してミステリーに終始するだけではなく、「生まれてくることの意味」や「命の尊さ」といった本質的な部分を、踏み込んで訴えかけているところです。元々は様々な理由から「死にたい」と想い、集ったはずの彼ら。そんな彼らに、事件を通してどんな心境の変化が生じていくのか。その辺りの繊細な心の揺れ動きにも、思わず考えさせられるものが多いです。
どうしても似たようなシーンが多くはなりますが、若手俳優陣が集結した本作を、是非チェックしてみて下さい。
予想以上
ハマってしまった…
謎で引っ張る割に。。
そして誰もいなくなった
単純なストーリー
凄く良かったです!!
面白かったです!
堤幸彦監督のかつての作品は、奇をてらったアングル、小ネタ満載の美術、ぶっ飛んだキャラクター、が特にTVドラマで面白さに繋がる演出法だったと思われます。
しかし時代が進むにつれ、奇をてらったアングルや小ネタ満載の美術が、リアルを求められる現代ではズレが出てしまって、正直、最近は自分は堤幸彦監督の作品を避けて来ていたところがありました。
そして堤幸彦監督のTVでは有効だった奇抜さも、映画になるとそれが深みを奪う結果になり、金を払って2時間じっくりと見る映画での食い足りなさにつながっていたと思われてきました。
つまりここ数年はTVドラマも、映画ならかなり前から、堤幸彦監督の作品は自分は好きではないな、と思われていたということです。
ところが前回の堤幸彦監督の『人魚の眠る家』をたまたま見た時、出演している役者の皆さんの演技の素晴らしさ、脚本の素晴らしさ、映画の本質を大切にしたアングルや演出に触れて、『人魚の眠る家』は本当に秀逸な作品だと自分も思われました。
そんな流れから堤幸彦監督の『十二人の死にたい子どもたち』も見てみたいと思われ見ました。
結論から言うと大変面白く優れた作品だと思われました。
かつての堤作品とは違い、奇をてらったアングルや美術の小ネタは廃され、どっしりとしたアングル、リアリティある美術、そして12人の素晴らしい若手俳優たちの演技を正面から引き出しただろう演出、があり、まさに映画的凝縮の時間がこの作品にはあったと思われます。
出演者12人の全ての演技が良かったと思いつつ、特に杉咲花さん黒島結菜さんの演技は見事で、正直この2人の演技の場面だけでもこの映画を見たかいがあったと思われました。
映画のトーンを決める主催者サトシ役の高杉真宙さんのアルカイックな笑いも、人物の背景を的確に表していて秀逸だと思われました。
長くなるのでここには書きませんが他の出演者の演技も良かったです。
おそらく映画の2時間に収めるために各登場人物の背景説明を簡潔にしたのだと思われましたが、省かれた背景説明を12人の優れた演技の行間で埋めていて、どの登場人物もその存在にリアリティある説得力がありました。
自分も、未遂も含めた様々な自殺に関しての、自身や身近な人、様々な事件や情報に触れてきたと思われますが、そんな蓄積からも、各登場人物の動機や状態の深さ浅さの多種多様さ、それを表現した演技に対して、違和感はほぼ全くなかったと思われます。
この『十二人の死にたい子どもたち』のレビューが両極端になっているのは、求めていたエンターテイメント作品と違った、のに加えて、セリフなどの人物背景描写を極力簡潔にした分、12人の演技の表情などからくる行間の読み取りの有無でそうなっているんだなと、他のレビューをざっと見て感じはしました。
ただ自分はその12人のセリフでない演技から伝わる行間に説得力があり、なかなか素晴らしい作品になっているな、とは思われました。
ラストのカット内での時間の長さも心情にリアリティを持たせていました。
この映画の役者の演技の秀逸さは『人魚の住む家』からの再現性があるので、おそらく(もちろん大元の役者の皆さんの演技能力が大前提なんでしょうけれど)堤幸彦監督の演出手腕である、と言ってしまってもいいと思われます。
自分は正直、堤幸彦監督の映画は何年か前までそこまで好きではなかったと思われます。
ただこの『十二人の死にたい子どもたち』は素晴らしく秀逸で面白い作品でした。
出演した役者の皆さん、スタッフの皆さん、そして堤幸彦監督に、観客としてそう伝えたいな、とは今回、静かに思われました。
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