劇場公開日 2019年1月25日

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「杉咲花のお遊戯会 宣伝詐欺」十二人の死にたい子どもたち 三条千草さんの映画レビュー(感想・評価)

0.5杉咲花のお遊戯会 宣伝詐欺

2019年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

原作ファンですが

舞台でやってほしかった。この一言に尽きる。

宣伝詐欺と言われても仕方のない告知というか、元々が「十二人モノ」なので、廃病院でどったんばったん連続殺人おおさわぎ~とか○○時間内に脱出しないと~といった類の話を宣伝から想像した中高生は見に行かないほうが賢明。
狭いスケールで若手が演技合戦(しかも所詮は推されてるだけの若手、深みが無い)して多数決採ってかいけーつするだけ。
 といっても、「十二人モノ」としても弱い。自分なりの正義を議論するわけでもないから、「十二人の怒れる男たち」が名作なんだよねそれ系でしょ~という感じでもない。

 冲方丁の原作を読んでしまうと、映画では削られた部分が多く、「えっ、飛びすぎじゃない?」と納得いかない点が。
 何より堤幸彦監督のスケールにこの作品は合わない。(堤監督はもっと大きなスケールでもって映画作ってる時代のほうが面白い、ミステリーとか超能力で世界がどうとかの人だと思っているので。手法も最近は一辺倒。今回もイニシエーションラブと被るラストだったね。)
 脚本が舞台の方なので、本当に、切実に、2時間ストレートで生で見たかった。

以下、若手について。

・高杉真宙……推されてるけどそんなに上手いか?CMタレントとしては一流。

・渕野右登……舞台の人。この映画にはあんまり合ってない気もするが、もし本作が舞台化されて生で演技を見たらまた印象が変わるだろうと思う。というか生で空気を感じたい芝居をする。

・古川琴音……特に印象にない。ダンスがすごいってインタビューにあった。

・橋本環奈……もう、ハシカンに4番をやらせた部分だけで1400円出した価値はあった。本映画の真の主人公。他所の監督作品の変顔ばかり注目されがちだが、ここ1年で演技が繊細になり驚くほど成長した。

・真剣佑……言うことない。5番のクソウザキャラをありがとう。画も強いし演技上手いし、インタビュー見ると彼がカンパニーの中心だったっていうし、本当に何でもできるいい役者だなと。

・黒島結菜……本映画のウラ主人公。SPECサーガ出ていて堤監督のお墨付きだけあって演技上手い。誤魔化しのきかない髪型なのにお顔が綺麗。

・杉咲花……主役に向かない、華が無い猿顔。メイクと髪型で誤魔化しても猿顔。所詮子役演技。とにかく滑舌が最悪、字幕ほしい。アンリはもっとスタイル良くて大人っぽくて声低いイメージだったから、原作ファンからすると不満しかない。監督もインタビューで唯一、演技でなく顔芸にしか言及していない時点で実力はお察し。ゴリ押しでもユキぐらいにしておけば、駄作の主役って恥かかずに済んだのでは?

・北村匠海……女性ファン多いんだってね。

・坂東龍汰……舞台の人その2.しかし、彼を知れた収穫は大きい。生で見たい。舞台で観客に向かってその言葉その感情が発せられたとき、きっと心の底から揺さぶられるであろうことがスクリーンから伝わってくる。目線、呼吸、一つ捉えられてしまえば彼から注目を外せない。本作が舞台化された際には是非出ていただきたい。

・吉川愛……すっかり大きくなってベテランの風格が出てきた。美人になったね。馬鹿っぽくて掴めないキャラクターは演じるうえで結構難易度が高いのだが、違和感なくこなすあたり底知れぬ実力を感じる。

・竹内愛紗……デビューしたてじゃん、がんばって。

気になったならまず原作読んで。

三条千草