劇場公開日 2019年1月25日

  • 予告編を見る

「同年代の子には共感できるのかも」十二人の死にたい子どもたち おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0同年代の子には共感できるのかも

2019年1月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

予告から予想していたのとは、かなり異なるテイストの作品でしたが、ストーリーが進むにつれて、しだいに真相が明らかになり、集まった12人のそれぞれの自殺動機が見えてくるあたりはおもしろかったです。最後の落としどころも悪くはないので、これはこれでありだなと感じました。

キャスティングも、新田真剣佑くん、北村匠海くん、高杉真宙くん、黒島結菜さん等、人気も実力もある若手俳優が多く起用され、演技面で見劣りすることはありません。中でも、杉咲花さんは抜群で、頭一つ抜け出ている印象でした。

ただ、あまり書くとネタバレになりそうですが、会話ベースの展開が平坦で、舞台となる廃病院の中だけで物語が完結するため、やや退屈に感じてしまいました。そのため、ストーリーは頭に入ってきても、登場人物の誰にもあまり感情移入できませんでした。なんだか終始客観的に眺めている自分に気づかされ、「いったい自分はいま何を見せられているんだろう」なんて気持ちになり、結果として大きく心揺さぶられることはありませんでした。

とはいえ、鑑賞後に前席の女子高生たちは涙を拭いながら「感動した」と言っていたので、同年代の子たちには共感するものがあったのだと思います。自殺願望を抱いたこともなく大人になった私には、本作の良さを感じる感性がなかったようです。

おじゃる