「いたずらに評価が低すぎるので支援」ザ・ミスト さくらさんの映画レビュー(感想・評価)
いたずらに評価が低すぎるので支援
「みんながみんな同じような遺伝子を持っていると、環境が急激に変化した際に絶滅してしまうリスクがあるため、遺伝子には多様性が持たされている」という生物論を頭に置いて観る映画。
遺伝子上の自己免疫疾患という病人扱いだった娘は、環境の変化が起きた際に人類の絶滅に備えて(結果論的に)「進化した」存在であったということ。そして健康体であった両親達は、環境が変化した新時代においては環境に適さない「旧時代の」遺伝子を持つ病人扱いとなったということ。
その観点から観れば、エンディングの演出まで含めて評価できる映画だったと思います。
ただ、「まるで地獄だ」と言いつつ屋根から遠目に暴動を眺めてるだけ、化け物に追いかけられているように見せつつ実態は犬に追いかけられてるだけ、そのようにパニックやスリルの部分があまりに小スケールすぎたので、ハリウッド的なスケール感を脳死状態で楽しむことに慣れてる人にとってはショボく感じたかもしれませんね。
また、母親が死ぬところなんてポリ袋でも被って行けば問題なかったわけだし、橋から落ちたり爆発に巻き込まれたり不注意すぎるし、確認もせずに持ち帰ったスーツが壊れてたり、バイクいっぱいあるのに最後の最後まで使わないで徒歩移動で時間も酸素も無駄にするし、バイク使ったら使ったで視界が悪い中スピード出しすぎて事故るし、ほんと登場人物全員IQ低すぎるが故に自ら追い詰められてた辺りは、評価を下げざるを得ないです。
ただまあ総じて、ストーリーなんて何もなくオチに全振りかつ全体的にほんと酷いB級映画だったキングの方のミストよりは遥かに良かった。3.5くらいが相場の映画かなとは思いますが、支援的な意味合いで4.5とします。