「笑顔が力をくれる映画」チア男子!! やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
笑顔が力をくれる映画
清々しい王道青春映画でした。
涙あり笑顔ありの今作、面白くてクスっとしてしまう場面もあるのですが、彼らの笑顔につられて笑ってしまう、彼らの若い真っ直ぐさに頬が緩んでしまう、という感じでこちらも笑顔になります。
まず印象的だったのは一馬役の中尾暢樹さんの笑顔。
『一礼してキス』の時は、感情を表に出さない役で、その無表情さが印象的でした。
今回は打って変わって溢れんばかりの輝く笑顔。
応援する彼をこちらも応援したくなってきます。
そしてもう一人、唐田えりかさんの笑顔も印象的でした。
彼女が演じたさくら、おそらく登場人物の中で一番人間的に強い。
笑顔が素敵な女優の唐田さんですが、今回は笑顔の中にさくらの持つ強さを感じさせてくれました。
そして、そのさくらの強さが翔を再びチアに向き合わせます。
それで良かったのがラストの翔たちのステージの時、さくらも彼らの演技から力を貰うんです。
力を与え、力を貰う。チアの原点とも言うべき素敵な関係をこの映画はたっぷり見せてくれます。
総一郎と弦の関係も素敵だと思ったし、もちろん晴希と一馬も。
晴希と一馬、自転車の二人乗りのシーンも印象的でした。
序盤の二人乗りの場面で青春映画らしいシーンだと思ったのですが、後半もう一回同じ所を二人乗りするシーンが有るんです。
そして、この時は漕ぐ人が逆になってるんです。
時には力を与え、時には力を貰い前に進む事を抽象的に示していたんだと思うんです。好きなシーンです。
力を与え貰う関係の彼らが集まって出来たチーム、ブレイカーズのステージでの真剣な表情、そして輝く笑顔、どちらも素晴らしかったです。
真っ直ぐな素晴らしい青春映画だと思いました。
最後にこの映画を観終わった時、もう一つの感想として、単純にチアリーディングって凄いなってのも有りました。
映画の制作陣がチアリーディングという競技にリスペクトを持っていたからこそ、観ていた私がそう感じたんだと思うんです。
今後、男女問わずチアリーディングを見る機会があったら、きっと真剣に見てしまうと思います。