劇場公開日 2020年3月20日

  • 予告編を見る

「完璧に仕上げられたプロットに驚愕」一度死んでみた R41さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0完璧に仕上げられたプロットに驚愕

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

全てが伏線。
純文学でない限り、物語の構成において伏線はマストだが、この作品はすべてが伏線でできている。
母の死によって父を完全に嫌いになった娘が、父の会社の陰謀に巻き込まれながら本当の父のことを知ることで腐っていた自分自身を再発見し、再生する物語。
敵役は誰もが簡単にわかる体にして、父が生き返る時間まで必死になって取り繕う姿をドタバタコメディで描いている。
「本当は何がしたいの?」
吉沢亮くん演じるゴーストくんのセリフは、実に多くの人が抱えてしまっている真実を暴いているように感じた。
星の王子様のようなセリフ「本当に大切なことは目には見えない」など普遍的な要素がテーマとして明確に表現されている。
タイトルには不思議なニュアンスがあり、二度見してその意味を考えようとしてしまう技がある。
このタイトルと七瀬の歌、そしてそれが父の会社の若返り製薬の開発過程で偶然できた「2日間だけ死ぬ薬」というものを、一本の串で貫いたかのように作品の中心となっている。
何の前情報もなく観てしまったが、伏線が一つずつ回収し始めてからは物語に吸い込まれてしまった。
しかし、
たった一つのシーンに主役級の俳優たちを使い捨てるような配置はいいのか悪いのか?
郷ひろみさんの講演が中止になって、そのポスターを利用して「野畑計葬儀会場」。
さらに、小澤征爾さんと野口聡一さんの登場にはすごいを通り越してあきれるほどだ。
この作品は誰を対象にしたものだろう?
家族の絆をテーマにしているので幅広い年齢層であるのは間違いないが、このやりすぎ感を感じてしまうのは対象年齢ギリギリなのかなとも感じた。同時に、一度死んでみなければわからないのは、見えているものしか見ていない証拠かもしれないとも感じた。
そういった感じ方ができれば、豪華俳優陣をまき散らしてもそれ以上にこの「テーマ」の比重が重いのかもしれない。
「お前ら、見えているものしか見てなくね?」そんな声が聞こえてくようだ。
素晴らしい作品だった。

R41
kossyさんのコメント
2024年4月19日

この映画大好きです!
伏線だらけというのも最高でしたね~

kossy