「【”神の恵みの地”と呼ばれる英国、ヨークシャー地方を舞台にした禁断の愛が生まれる瞬間を壮大な映像美で綴る作品。】」ゴッズ・オウン・カントリー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”神の恵みの地”と呼ばれる英国、ヨークシャー地方を舞台にした禁断の愛が生まれる瞬間を壮大な映像美で綴る作品。】
■寂れた牧場をひとりで管理するジョニーは、身体の悪い父親の不在を補うべく、過酷な酪農作業をする日々を孤独を感じながら、酒と不毛な男性とのセックスで紛らわしていた。
ある日、羊の出産シーズンにゲオルゲという青年が雇われる。
2人は当初、衝突するが、羊に優しく接するゲオルゲにジョニーは感じたことのない恋心を抱き始ねる。
◆感想<というか、個人的経験と嗜好・・。>
・私が、ゲイ映画に嵌ったのは、学生時代に名画座で学友たちと鑑賞した「アナザー・カントリー」が切っ掛けである事は間違いない。
”一生、女は愛さない”という惹句に惹かれ、恐る恐る鑑賞したが、若きルパート・エヴェレットと、コリン・ファース(この方は、年齢を重ねても変わらない。凄いモノである。)の姿に一発でヤラレタ。
- で、おバカな男子大学生は”アナザー・カントリーごっこ”を始めたモノだ。ー
・だが、私には当時学友たちに言えない悩みがあった。
それは、高校時代の学友(男性)が私に好意を抱いてくれて、電車で数時間かけて私のアパートに頻繁に来ていた事である。
最初は、ビックリし”冗談は止めろ!”と言っていたのだが・・。(以下、自粛)
・だが、私はストレートだということは認識した。ケレドも、若き時の経験はその後の私の生活には影響を与えなかったが、映画ではゲイ映画に耽溺と言う程でもないが、グザヴィエ・ドラン監督や、トム・フォード監督作品他、数々のゲイ映画は欠かさず観賞して来た。
そして、どの作品も(一つだけ「性の劇薬」だけは除きたい・・。面白かったが。)面白く鑑賞した。
・今作が染みるのは、「神の恵みの地」(ゴッズ・オウン・カントリー)と称されるイギリス・ヨークシャーの荒涼たる大自然の中で、心を通わせていく青年たちジョニーと短期労働のためにルーマニアからやってきたゲオルグの姿に心を揺さぶられる事である。
最初は、馴染むことなかった二人が、羊に優しく接するゲオルグの姿を見たジョニーが彼に惹かれて行く過程である。
・そして、ジョニーが自らの牧場を去った、ゲオルグに再び、会いに行くシーン。
- ジョニーは、初めてゲオルグに真実の愛の言葉を伝えるのである、-
<私は、”BL”という言葉は余り好きではないのであるが、大自然の中、同性同士で愛を交わすのは分かる気がする。
(これは、私が30代後半まで、エクストリーム登山をしていた事も、寄与している気がする。)
そして、私にとっては近年で言えば「君の名前で僕を呼んで」を代表として、このジャンルの映画は、猥雑感は全くなく、素直に受け入れられるのである。
更に言えば近年、日本でも一部の都市で、同性婚を認めるようになってきた風潮。
日本の文化では受け入れられない地域も多数ある事は認識しているが、人間の生き方を許容する幅が徐々にではあるが、広がってきた事は、日本の文化成熟度が進化してきたのではないかと思うのである。>
<2019年3月 京都 新しく出来た出町座にて鑑賞>
<2022年5月 別媒体にて再鑑賞>
「嗜好」 とおっしゃいましたが、この意味で考えると、異性だろうが、同姓だろうが、映画の選択肢にはならず、なんでも見ることができ、嗜好は両方で抵抗が全くないので、LGBTQ+の仲間がいるが、そうでない仲間もいる。はっきりいって、これが嗜好なんです。つまらない前置きです。実は、個人的な経験の入ったレビューが好きなので、コメントを書きました。自分の経験を映画の感想に結びつけて書くと、より力強く感じます。
こんにちわ。ゲイ映画、いいもの、いっぱいありますよね。見られたと思いますが、私が一番、感動したのは『トーチソング・トリロジー』かもしれません。ちょっと昔の映画で、見たのもだいぶ前ですが。グザヴィエ・ドラン監督のものは見ていないので、また見たいと思います。突然、失礼しました。^^