「希望を持って待つのではなく、行動を起こせ‼️」華氏119 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
希望を持って待つのではなく、行動を起こせ‼️
作り手の恣意が全く入り込まない100%客観的なものは無い、という前提を承知の上ですが、サンダースが降りた背景、オバマが水を飲まなかったことなどの事実を追うことで見えてくる重要な真実があるのですね。
日本に住んでいるとなかなか具体的な危機感を持ちづらいが、トランプ大統領が発する、実現するはずがないと思われる暴言妄言が実際に差別や分断を引き起こしていることなどを改めて突きつけられると、ゾッとする。終盤のくだりを見てると、歴史から学ぶ前に歴史が繰り返してしまいそうで背筋が寒くなりました。
アメリカで愛国法(字幕でそう書いてました)が成立し、たぶんその流れで(もしかしたらそのアメリカの圧力で)日本でも何となく、まあ我々一般人には影響ないだろう、という感じで『共謀罪』が成立しましたが、もし、本当にテロないしは政府がテロだと認定できる(特定機密保護法により根拠を開示しないまま、とにかくテロなんです、と決められてしまうこともあるのかもしれません)事件が起きれば、その周辺の人(これも範囲は政府が決めることになるのだと思います)の電話やSNSの内容が警察に提供されることになる。結果として、〝その周辺〟に認定された人はここで書くレビューで疑いを持たれるような内容を書き込むと逮捕されることもあり得るのでしょうか。
(以上は各種報道等からの個人的な解釈・想像なので、誤認・勘違いの部分などお気付きの方がいらっしゃいましたら、ご教示頂ければ助かります。)
ラストのネバー、ネバー、ネバー、…………。
今年一番涙が溢れて止まりませんでした。
重要なのは希望よりも行動だ、というマイケル・ムーア監督の叫びにどう答えたらいいのか。しばらく悩み続けることになりますね。
因みに〝行動〟を考えた時に真っ先に浮かんだのが、『女神の見えざる手』のジェシカ・チャステイン演ずるスローンでした。銃規制に関しての鳥肌が立つようなドラマでした。もしまだご覧になっていない方は、本作品の余韻冷めぬうちの鑑賞をお勧め致します。