「ミステリアスな迷路に迷い込んだような。」嘘をつく男 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリアスな迷路に迷い込んだような。
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ユニークでおもしろい。
この<おもしろい>というのは、楽しい、とか笑える、とではなく、興味深いということでもなく、テーマパークの迷路のような…鏡張りの迷路で迷ってしまったかのような、そんなおもしろさ。何がどうなっているのか、進めば進むほどわからなくなるような。ゲーム感覚。
戦争で路頭に迷い人間的にも精神的にもイカれてしまったと思われる男が、ある村に辿り着き、そこでよからぬ野心を抱き、悪知恵を働かせて嘘を重ねていく、といった筋のようだ。(ジャン=ルイ・トランティニャンの、メチャ軽薄さを感じさせる男振りが絶妙で、吸い寄せられる)
館で暮らす妙に艶かしいミステリアスな女たちに彼は吸い寄せられていく。このあたりは男の願望ってやつかしら。女から見ても、彼女らは美しく魅力的で魔力を持っているかのように見える。
嘘に嘘が重ねられ、エスカレートしていく。
やがては嘘からくる妄想に苦しめられるようになり、自分から内部崩壊したようだ。
ミステリアスなアトラクションのように、展開を楽しみ、ひとつひとつの場面を楽しむ。
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