「凝ったつくりを明るく楽しむ」ヨーロッパ横断特急 あまおとさんの映画レビュー(感想・評価)
凝ったつくりを明るく楽しむ
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アラン・ロブ・グリエ監督
映画作りのプロ3人が、アントワープに向う列車の中で、作品の構想を練り上げる。その作品と、練られていく過程、その二つを行き来する。練り上げ過程も楽しめるうえに、ふっと脇道へ抜ける軽さがある。
つくられた作品の中身、これがなかなか面白い。「プティジャン神父…」子どものようにワクワクする秘密の合い言葉シーン。当然これは本番だと誰もが思わされてしまう(汗;)。仲間と警察両方の監視構造、エヴァのこと、そして、自身の性的嗜好で簡単に足元をすくわれるという超ダメっぷり。
エリアスは、超イケメンの渋くてカッコいい男。(が、緊張と自信のなさは隠しきれていない。トランティニャンの演技の絶妙だこと!)その渋い男と、情けない結末の組み合わせが、絶妙なユーモア。
この人の作品は、籠もった陰鬱な気分にさせるものが多いようだが、この映画はそうではなかった。
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