劇場公開日 2018年12月1日

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「政治とマスコミの関係に切り込む良作」共犯者たち コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5政治とマスコミの関係に切り込む良作

2018年12月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

韓国に起きた「政権による言論統制、弾圧」のドキュメンタリー。

『タクシー運転手 約束は海を越えて』
『1987、ある闘いの真実』
とも連なる、自国批判作品。

2017年8月に公開されると韓国国内で動員26万人の記録を残す。
かつてMBCの名物ジャーナリストであり、政権から送り込まれた社長に落ち度も証拠もなく不当解雇され、インターネットでの独立系メディアを立ち上げたチェ・スンホ氏が、監督・出演。
マイケル・ムーアの『華氏119』ノリの作品。

2008年のBSE問題報道をきっかけに、イ・ミョンバク大統領が露骨なメディアへの政治介入をはじめ、その後のパク・ウネ政権に至るまで報道を統制した実態と手口を、不当な異動による退職への追い込み、又は解雇された人々の証言。
時には隠しマイクで録音した音声で暴いていく。

政権に不利な報道を一切させず、大本営発表のみ行う広報機関と成り果てたことは、学生300人以上が死んだ「セウォル号事件」で、国営放送が「全員救助」と一斉に報道したことに顕著だったと指摘。

世は「右」と「左」の対決ではなく、。
また宗教でもなく。
権力や資本の「上」と、一般国民やマイノリティの「下」との対決になっていることがよくわかる1本だった。

そして、対岸の火事と決め込む他人ごとじゃなく。
日本のマスコミ(特に某国営放送)も危ないなと考えさせられることになりました。
何しろ、こんな韓国より、世界的な報道の自由度ランキングは日本の方が下ですからね。

今、『華氏119』と並んで、観ておくべき作品だと思います。

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コージィ日本犬