「キリスト教に信心がないと共感出来ないか」死霊院 世界で最も呪われた事件 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
キリスト教に信心がないと共感出来ないか
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悪魔祓い殺人を取材した女性記者の、恐怖体験を描く物語。
ホラー映画ですが、サスペンス色が強く、私好みの作品でした。
神を信じない女性記者が、関係者を取材し続ける様子は、サスペンスとして興味をそそられます。
要所で差し込まれる、「ドッキリ」の描写は、効果的に緊迫感を煽ります。
映画全編に流れるルーマニアの風景も、情緒を盛り上げます。
ただ、高い評価をするには、もう一工夫足りないように感じます。
例えば、「悪魔祓い殺人」の際には、ベテラン神父の悪魔祓いを撥ね退けアデリーナを殺した悪魔「アガレス」。でも、クライマックスで主人公に憑りついた時には、簡単に悪魔祓いに屈してしまいます。それは何故だったのでしょう。
また、何故「アガレス」は主人公に転移したのでしょう。確かに主人公は母親の病死で悩んではいましたが、アデリーナとの接触はありませんでした。映画では、接触により「転移する」とされていました。
聾唖の少年の設定も揺れを感じます。父親の話だと神側ともとれますが、それ迄の描写は悪魔側のようでした。神秘性を出したくての登場なのでしょうが、設定や意味づけが不十分だったように感じます。クライマックスで主人公を助ける役回り等あれば、登場させる意味が出てくるのでしょうが・・・
そもそも、私が「キリスト教をまったく信じていない」という根本的な原因もあり、評価は少しだけ控えめにしました。
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