劇場公開日 2018年12月7日

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「「5億人の女性を救った」は伊達じゃない!」パッドマン 5億人の女性を救った男 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「5億人の女性を救った」は伊達じゃない!

2018年12月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

インド映画初鑑賞ですが、想像以上によかったです。冒頭から予想どおりのノリで、ちょっと苦手なタイプの作品かもと思いましたが、前半が終わるころにすっかりハマってしまい、後半はさらに引き込まれました。2時間超の長い映画でしたが、しっかりとした内容があり、テンポも悪くないので、まったく飽きることはありませんでした。

とにかく、主人公のラクシュミの人柄がすばらしすぎます。妻への一途な愛、技術者としての信念、他者への思いやり、誠実な態度等、どこを取っても真似できません。終盤でのスピーチシーンは、彼の思いがあふれて、こちらは涙があふれました。そんな彼だからこそ、このような偉大なことを成し得たのだと思います。

単にナプキンを安価に製造する方法を発明しただけでなく、そこから社会に変革をもたらしたことは、まさにイノベーション!女性の体だけでなく、心や尊厳までも守ったのだと感じました。「5億人の女性を救った」というフレーズが、自分の想像をはるかに超えていたことを知り、本作の奥深さを痛感しました。

ラストは予想どおりの展開でしたが、自分としては別の形を望んでいただけに、ちょっとだけ残念でした。とはいえ、それでこそのラクシュミであり、そうでなければいけないと改めて思い、すがすがしい気持ちで席を立ちました。

それにしても、インドの生理に対する認識には驚きました。2000年代初頭の話らしいですが、パソコンでネット検索したり、ケータイを使ったりしている一方で、生理を「穢れ」ととらえて、女性を家にも入れないことに、強い違和感を覚えました。まさにところ変われば…という感じですが、これがラクシュミのおかげで、今後少しずつでも改善されていくことを願います。

おじゃる