アルファ 帰還(かえ)りし者たちのレビュー・感想・評価
全9件を表示
観る前は主人公女の子かと思ってたよ
たまに遭遇する、つまらないわけではないが特に見所もない空虚な作品ってのがあるけど、本作は正にそれだ。
物語の本質が人とオオカミの友情にあるとしても、やっぱりサバイバルとか主人公の成長をもっとちゃんと見たかったよね。
過酷なサバイバル、ハラハラする冒険、その中にある友情ってのが理想なんだ。
90分台という尺の短さを考えても相当切って詰めたんだろうなと容易に想像がつく。
それに映像は中々気合いが入っているのでそれを頑張ったんだろうことも。
しかしそのせいで全くワクワクしたりドキドキしたりしないんだよな。似たようなサバイバルものの「レヴェナント甦えりし者」くらいギリギリ感が欲しかった。
オープニングの狩りシーンから時が遡る演出も何か効果をもたらしたとは思えないし、全体的に演出力が不足していたように思う。
とりあえず最初に書いたけどつまらないわけではないので動物が活躍する作品が好きな方は観ても良いかもね。
動物愛護団体からは虐待しているとして叩かれているけどさ。
あと、本作は架空言語ですので登場人物の誰も「アルファ」とは呼んでいないことは書いておきたい。私たち現代人でもわかるように翻訳されたものが「アルファ」です。
なので、ある意味過剰にちゃんとしているといえる。
犬と人間の絆、その起源の物語。はじまりは少年を喰おうと襲ってきたオ...
犬と人間の絆、その起源の物語。はじまりは少年を喰おうと襲ってきたオオカミの群れのうちの一匹だったんだが....かなりドラマチックに仕立てられていて、リアルではないのだけれど、シークエンスが良く最後まで話がサクサクすすむ。
助けたり助けられたりの関係で、お互いがお互いを決して見捨てない。その一点だけなんだが結構よかった。
タイトルからすでにネタバレ
嫌いじゃない。むしろ好きな部類の映画だ。だから以下に上げる点は悪口にしか見えなくても愛情の深さだと思って欲しい。志の高さはよく分かる。御伽話としては秀逸なプロットで、とても関心をそそる内容だ。
ただし、詰めの甘さというか、残念なことが多い。
そのひとつにタイトルの付け方がある。
映画では、ラストにタイトルロールが表示され、この映画のカラクリが一瞬で理解できる構造になっている。きれいにオチる。でもタイトルに使っているから、どうしたってネタバレを避けられない。
アルファとは、つまりものごとの始まり。人間とイヌが共生関係を結ぶきっかけを表す。そして『帰還りしものたち』という副題までわざわざくっつけている。
少年がたどる数奇な冒険を、一言でバラしてしまっている。「結局、助かるのね」誰もがそう思うに違いない。
次にあげられるのがビジュアルのショボさだ。いまどきアニメーション作品でも、驚くほどレベルの高い絵面を打ち出せる。冒頭のバッファローの群れに敢然と挑みかかる原人のシークエンスが、隅々まで残念なポイントだらけで見ていられない。
生き物がリアルに見えないし、横一例に匍匐前進する原人なんて、たとえ実在したのだとしてもすぐには信じられない。つまりツカミを失敗している。ここに最大限の力を発揮出来ていれば、一気に最後まで見終えるリズムを生んだはずなのに。原人の見た目も、もう少しそれらしくメイクや衣装を工夫して欲しかった。30年前くらいの、つい最近の昔にしか見えない。旧石器時代なのに、全然そう見えないのだ。これは致命的だろう。ナショナルジオグラフィックのリアリティドラマの方がましに見える。
イヌの名前がアルファなのも、日本語字幕としての意訳で、実際のセリフにアルファなんて単語は入っていない。製作者サイドは隠しておきたかった情報なのだろう。だからタイトルにアルファって付けているのがでかいエラーなのだ。
ただしこの映画を見る動機は、イヌの起源を描いていることそのものにある。少年と獣の組み合わせのドラマは『ライフ・オブ・パイ』『ヒックとドラゴン』など秀逸な作品が多い。そこに期待してしまうと、どうしても幻滅が大きい。
以上のような残念なポイントに目をつぶれば、とても面白い映画だと思う。逆にそこが気にならない人にこそ、この映画を見て欲しい。志の高さを買って、見る人がイマジネーションを膨らませるべき映画だ。昔の映画は全部そうだったのだ。
2019.12.31
氷河期アドベンチャー
氷河期、狩猟に出た一族の首長の息子が崖から転落する。
一行はあきらめて帰るが、怪我をしながらも生きていた。
失意の息子は、同じように怪我をして仲間から見捨てられた狼と出会う。
こうして息子は狼と共に帰還を図る。
ロケは大変だったろう。
全9件を表示