「原作の漫画おそ松くんも好きな一人として」えいがのおそ松さん DogDogDogさんの映画レビュー(感想・評価)
原作の漫画おそ松くんも好きな一人として
赤塚先生の作品が好きで、アニメ平成版おそ松くんも全て見ています。
おそ松さんは、社会人になりたての頃に深夜テレビで見てハマりました。
まず1回観賞して、素直に「面白かった!」と感想を持ちました。
2回目、1回目では処理しきれなかった情報量を理解して泣きました。
おそ松達が高校卒業してこれからどう生きていくか、というストーリー。
今この時期に見るからこそ、感じるものがたくさんあると思います。
自分がなぜ突然おそ松”さん”にハマったかと言うと。
当時いわゆるブラック会社に勤めており、常に目の前の仕事に追われ、
上司には叱責され、出来ない自分を責める毎日、深夜帰宅しTVを付けると
ニートで無職でこんなにダメなやつらでも「これでいいのだ」の一言で
思い切り楽しく人生を生きている6人の姿にとても励まされたからです。
そういうハマり方をした自分にとって、えいがのおそ松さんもまた、
人生を支えてくれる指標の一つになりました。
おそ松シリーズのギャグももちろん好きですが、ありのままの姿を認めて
くれる赤塚作品の根底に流れる「優しさ」に救われて来た一人です。
ただ、1期1話のような過激なギャグを求めている人にとっては
もしかしたら物足りないと思われる内容かもしれません。
良い意味でも悪い意味でも「綺麗にまとまっている」と思います。
しかしそれでも、往年のギャグ要素や6つ子の軽快なやりとりが
TVシリーズから失われている訳ではありません。健在です。
ストーリーが刺さらなくても、違う所で琴線に触れるものがあるかも。
正直、人によって評価が分かれる作品だと思っています。
だからこそ「おそ松ってこんな話でしょ?」と決めつけずに、自らの目で
確かめ、星1でも星5でもそれぞれの感想を持って欲しいと思いました。
スタッフの皆さんは制作上迷った時、「赤塚先生ならどうするか?」を
常に考えているそうです。赤塚先生がご存命でしたら、
12人(大人+18歳)ものやつらが画面で好き勝手動いているのを見て、
膝を打ったと思いますよ。そんな作品です。
ちなみに、自分は女性声優さんが登壇される舞台挨拶の回に行きましたら
男性の方がとても多く上映中は賑やか、観賞後は拍手が起こりとてもいい雰囲気でした。