劇場公開日 2019年3月15日

「原作の漫画おそ松くんも好きな一人として」えいがのおそ松さん DogDogDogさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0原作の漫画おそ松くんも好きな一人として

2019年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館

泣ける

笑える

楽しい

赤塚先生の作品が好きで、アニメ平成版おそ松くんも全て見ています。
おそ松さんは、社会人になりたての頃に深夜テレビで見てハマりました。

まず1回観賞して、素直に「面白かった!」と感想を持ちました。
2回目、1回目では処理しきれなかった情報量を理解して泣きました。
おそ松達が高校卒業してこれからどう生きていくか、というストーリー。
今この時期に見るからこそ、感じるものがたくさんあると思います。

自分がなぜ突然おそ松”さん”にハマったかと言うと。
当時いわゆるブラック会社に勤めており、常に目の前の仕事に追われ、
上司には叱責され、出来ない自分を責める毎日、深夜帰宅しTVを付けると
ニートで無職でこんなにダメなやつらでも「これでいいのだ」の一言で
思い切り楽しく人生を生きている6人の姿にとても励まされたからです。
そういうハマり方をした自分にとって、えいがのおそ松さんもまた、
人生を支えてくれる指標の一つになりました。
おそ松シリーズのギャグももちろん好きですが、ありのままの姿を認めて
くれる赤塚作品の根底に流れる「優しさ」に救われて来た一人です。

ただ、1期1話のような過激なギャグを求めている人にとっては
もしかしたら物足りないと思われる内容かもしれません。
良い意味でも悪い意味でも「綺麗にまとまっている」と思います。
しかしそれでも、往年のギャグ要素や6つ子の軽快なやりとりが
TVシリーズから失われている訳ではありません。健在です。
ストーリーが刺さらなくても、違う所で琴線に触れるものがあるかも。
正直、人によって評価が分かれる作品だと思っています。
だからこそ「おそ松ってこんな話でしょ?」と決めつけずに、自らの目で
確かめ、星1でも星5でもそれぞれの感想を持って欲しいと思いました。
スタッフの皆さんは制作上迷った時、「赤塚先生ならどうするか?」を
常に考えているそうです。赤塚先生がご存命でしたら、
12人(大人+18歳)ものやつらが画面で好き勝手動いているのを見て、
膝を打ったと思いますよ。そんな作品です。

ちなみに、自分は女性声優さんが登壇される舞台挨拶の回に行きましたら
男性の方がとても多く上映中は賑やか、観賞後は拍手が起こりとてもいい雰囲気でした。

DogDogDog