「劇場版ならではの何かが欲しかった」映画 賭ケグルイ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場版ならではの何かが欲しかった
原作未読ですが、アニメシリーズがおもしろくて、ドラマもseason2まで全話視聴し、満を持して劇場版に臨みました。本作でもドラマ版の良さが随所に見られ、しっかり楽しませてもらいました。
この作品の魅力はなんといってもギャンブルの裏で繰り広げられる頭脳戦と心理戦で、その魅力は本作の生徒代表選でも発揮されています。惜しむらくは、校内の反乱が中心として描かれ、ギャンブルパートがやや少なかったことです。内乱も終わってみれば広義のギャンブルととれなくもないストーリーではありましたが、やはりもう少し多くのギャンブルで、夢子の洞察力と勝負センスを見せてほしかったところです。
もう一つの魅力は、若手俳優陣による体当たりの振り切った演技です。こちらは、浜辺美波さんを筆頭に、高杉真宙くん、松田るかさん、柳美稀さんらが、ドラマ版同様の安定した役作りを見せてくれています。中でも、森川葵さんと矢本っちゃんの息の合った夫婦漫才は抜群でした。ここに新キャラの福原遥さんが渾身の演技で参戦。なんとなく松本まりかさんと重なるイメージで、彼女の演技力に驚かされました。今後の活躍が楽しみです。
本作はドラマseason2の最終話から繋がっているので、冒頭で軽く作品背景を紹介してくれているとはいえ、「賭ケグルイ」に初めて触れる人には敷居が高かったかもしれません。一方で、ドラマ版のファンの方ならそれなりに楽しめると思います。ただ、劇場版ならではのプラスアルファがほしかったかなとも思います。ストーリーも伏線を張ってはいたものの、驚くほどのものではなく、作品単体としては期待以上でも以下でもないといった印象でした。
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